2022年3月1日火曜日

アクションカメラCT9500に外部マイクジャックを追加する

 アクションカメラCT9500に外部マイクジャックを付けて欲しいと頼まれた。マイクは内蔵しているが撮った音量が小さく使えないらしい。私自身はアクションカメラを触ったことはないが、かなり小型の動画撮影用カメラである。

最初はジャックを付けるには隙間が無く改造は無理だろうと思ったがネットに幾つか実例が上がっているとの話なので引き受けた。

改造は分解から始まるが最初の手がかりが分からない。下手に力を入れると酷く傷がついたり壊れて元に戻せなくなる。幸いな事にネットに動画があるので、それを参考に分解した。なおレンズを傷つけないよう作業中はレンズにマスキングテープを張った。

部品を追加する空間の大きさは上の写真を参考にしてもらいたい。分解したら次は部品の調達である。現物を持って秋月に行き、隙間に入りそうな部品を探した。

マイクジャックは2.5mmと3.5mmの物を売っているが部品の大きさがほぼ同じなので、より汎用的な3.5mmの物を使う事にする。3.5mmの物も何種類かあるが、隙間に入りそうな単純な丸い3極のジャックを選び、マイクの切り替えは別途小型のスイッチを追加する事にした(プラグを差し込む事で内蔵マイクと外部マイクを切り替えることが出来るような物もあるが大きくてカメラ内部の隙間に収まりそうにない)。また隙間に収まりそうな直径6mmのマイクを買った(元々基板に乗っていたのは直径4mm厚さ1mm程度のマイク)。

部品が揃ったので加工に移る。先ず穴あけである。内部にうまく収まりそうな位置を決めてケースに穴を開ける。穴を開ける場所は先人の例を参考に微調整した。ここだと手持ち用のホルダーに取り付けるにもギリギリ邪魔にならない(防水ケースに入れるにはジャックの頭が邪魔になるので少し削る必要がある)。 また内蔵マイク用の穴は細いスリット状なのでドリルで広げた。部品を取り付けると次の通り。ジャックはネジ式なのでそのまま固定できるが、マイクやスイッチはホットボンドや瞬間接着剤で固定した。流動性の高い瞬間接着剤は隙間からスイッチの内部に入り込んでダメにするので要注意(私は1回失敗した)。


マイク用配線を引き出すために基板上のマイクを取り外したが、ハンダが融けないうちに力を入れ過ぎてパターンが無くなってしまい、さらに多層基板なのでスルホールがそのまま裏側に出ている訳ではないため簡単に配線を引き出せなくなった。
僅かに残ったスルホールの芯を頼りにテスターであちこち当たってみると配線の行先が分かりそこから配線を取り出すこととした。
上の写真でオレンジで囲んだ配線がマイクの+端子、青が近くのGNDである。

 あとは配線を接続し、元通りに組み立てればOKであるが、実際には組み立ての途中で部品を通すのに不都合な出っ張りがあったり、部品や配線が微妙に当たったりして綺麗に収まらない。最終的には配線を通す経路を変更したり、リューターで邪魔な箇所や部品を削りやっと押し込むことが出来た。

元々自分のアクションカメラではないので音がどれくらい改善されたかは分からないが、外部マイクが使えることはもちろん、内蔵マイクを使って録音された音が内蔵スピーカーから聞こえるようになったのでやった甲斐はあったのだろう。

なおマイクにはプラグが2極、3極、4極のものがあるが、アクションカメラの録音はモノラルなので 3極プラグの先端(L)だけを使って2極にも対応するようにし、4極は規格が複数あるので変換コードを作って対応することした。