2015年11月15日日曜日

自作クローニングケーブルの改修

 IC-R6クローニングケーブルの自作については、次のURLに書いているが、
 
ICOM IC-R6用クローニングケーブル(USBタイプ)自作

 最初、回路図のダイオードD1にはジャンクの基板から外した1S1588と思われるシリコンダイオードを使っていた。今年のハムフェアでショットキーダイオードを入手したので、 順方向電圧降下の影響がどれほどか試してみた。

 使ったのはROHMのRB441Q-40という10個120円で手に入れたこんなダイオード。

 次の波形はX軸が10ms/DIV、Y軸は2V/DIVで観測。中程の一点鎖線はオシロのトリガーレベルを表している。左のパルス列(Inquiry)が自作クローニングケーブルの送信データ、右のパルス列(Response)がIC-R6からの応答。問い合わせ終了から12ms位で応答を返し始めている。また1回の問い合わせ~回答全体は30msかかっている。

 このシリコンダイオードを使ったときの波形を見ると送信データの0レベルがシリコンダイオードの順方向電圧降下分の0.7V位浮いており、その分閾値(1.3V)までのノイズマージンが半分程度に下がっている。 
一方D1をショットキーダイオードに変えるとこうなり、0レベルが順方向電圧降下の0.2V以下に下がっており、1V程度のマージンが確保されていることがわかる。







2015年11月13日金曜日

SONY XC-711 の復活は可能か(その2)

電源ユニットの症状を調べると、SWレギュレータの起動によく失敗することが分かった。逆に言えば時々成功する訳である。

原因究明は後に回し、とりあえず電源ユニットを元に戻してカメラを起動してみた。

ノイズレベルの高い(黒であるべき場所があまり黒くならない)画像が表示された。しかも電源ユニットを触ってみると部品が火傷するレベルまで熱くなっている。インダクタや電解コンデンサも熱くなっているし、これじゃ復旧できても電解コンデンサが持たない。

そうこうしているうちに電源が落ち、二度と起動できなくなった。調べてみるとバックパネルに付いている基板の表面実装タイプのヒューズが飛んでいる。どうも、どこかに過電流が流れているみたいね。

その後ヒューズを調達し、様子を調べ始めた。電源は12Vで0.7A位流れている。時間とともに徐々に増加するので短時間の診断で済ませる必要がある。電解コンデンサがやけに熱くなってるなぁ。

とりあえず怪しい電解コンデンサ5個を手持ちの適当なものに交換してみると、消費電流も0.45A程度に落ち着き、発熱も無くなった。そうか、ケミコンがやられていたのか。とりあえずこれで良いみたい。

今度秋葉原へ行くときに買ってこよう。

2015年11月6日金曜日

Jitter、どうよ(TR5835は濃い)


 オークションでADVANTESTのTR5835 Pulse Jitter Counter を初値で落とした。約100MHzまでのパルスのジッターを100psの精度で計れるものだ。残念ながら今風のランダムジッターと系統ジッターを分けることはできない。そんな議論は無かった頃の製品だからね。

 中には10MHzのOXCOが入っており、これだけでも落札価格と釣り合う。落とした目的は手持ちの幾つかの発振器のジッターを計ってみたかったから。結果が悪ければ電源の改修をやるつもり。

  ケースを開けてみると、この年代に100ps単位を計ろうというので全体的に造り がしっかりしている。裏蓋のシールドもバッチリ、よく見ないと判らないが表示窓のLEDの前にもメッシュのシールドが入っている。3端子レギュレータの数も多い。回路のデジタル部分は親しみのある74LSシリーズのTTLで構成(ECLも少し)、大学時代にTIのデータブックを毎日見ていたから、名前を聞いただけで大体の回路がわかる。

CPUはセラミックパッケージの8088!,懐かしい。やる気になればソフトの解析も容易。クロックも8MHzの筈。

 で、この時代に作ったこの程度の軽い装置で10GHz相当の100psをどうやって計るの?と技術が判っている人なら誰でも思うだろう。

キモは特許技術の時間伸張回路(Expander)らしい。デジタルとアナログを組み合わせたこんな基板になっている。マニュアルを見ながら1週間ほど調べて動作が見えてきた。しかし調整方法は不明。
 要するに測定する時間を積分回路を使って電圧に変換し、同じ電圧を時定数を長くした積分回路で作ることで時間を伸張している。オシロで見ると300倍程度伸ばしているようだが、下手な作りだとこの回路自体がジッターでやられそう。あと最初の積分器の時定数がOPアンプのスリュレートと同じくらいでなっていて、本当にこれで大丈夫なの?最新の高スリューレートのOPアンプに交換したくなったが、我慢我慢。

あと、10MHzをアナログ的に8逓倍して80MHz(12.5ns)を作っているのも面白い。ここにPLLを使ったら何のジッター計っているか判らなくなるしね。

全体はこんな感じでCPU以外の4枚のカードはコネクタだけで止まっておりAgilentに負けているかな。CPUカードは2本のネジで固定されフラットケーブルでメインボードと接続されている。

 気になるのはOCXOの横に空冷ファンがあること(このOCXOは先が長目のナット回しがないと外せない)。OCXO(及び8逓倍回路)にはスタンバイ状態(電源スイッチOFF)でも電源が供給され発振の安定化に寄与している。このときOCXOを触ると若干温度を感じる。しかし電源ONと同時にファンが回り出しOCXOを冷やし始める。いくらOCXOだってこんな設計ってアリ?

 そこで実際に周波数(10MHz)を計ってみた。スタンバイ状態で15分のウォームアップ後に電源ONすると、ON時にノイズで周波数が変動する以外はその前後でも0.01Hz(10^-9)も変わらなかった。なかなか出来が良いみたいね。








2015年11月4日水曜日

頑張れCP-7D

長年愛用してきたSANWAのテスターCP-7Dが昨日突然全く動かなくなった。これとは別に超高感度のN-501も持っているんだけど指針の動きが遅すぎて普段の作業には使えない。DMMはチラチラしすぎて役に立たない。やっぱこの程度のアナログが普段使いの万能ツールとしては一番だ。是非とも直さなければ。

電池切れでも無いし、ヒューズも切れていない。おかしいなーと色々調べていたら、ロータリースイッチのプラスチックがヘタってブラシが外れていた。 エポキシで固めて、こうなりました。
元に戻して復活。テスターリードが酸化して接触不良になりオーム計が不安定になっているとずーっと思っていたけど接触が悪かったのね。修理して不安定さも無くなり新品に戻ったみたい。
まだまだ永~く使い続けるつもり。もうアナログはなかなか手に入らないからね。

最大のユーザはカミさんで主に電池チェッカーだけどまだまだ使えます。