2017年3月25日土曜日

IC-R6の周波数設定の怪3

 当然のことながらIC-R6はスパーヘテロダイン式の受信機だ。スパーヘテロダイン方式は、局発±中間周波数という2つの周波数を同時に受信するので、受信したくない方(イメージ周波数)をフィルタで取り除くカラクリになっている。サービスマニュアルによると、IC-R6は3段のスパーヘテロダイン方式だから7つ(=2^3-1)のイメージ周波数がある。じっさいそれぞれの感度がどれくらいあるか自分のIC-R6で試してみた。

 この測定を行っているとき面白い事実に気づいた。信号を受信していない時のIC-R6は1st-Lo、2nd-Loとも連続発振していないのだ、信号が消えると5秒後に連続発振から0.5秒程度の間欠発振に変わる。さらに1分後には1秒間隔に変わる。これは消費電力を抑えるためだろう。 つまりIC-R6は信号が無いとき0.5秒や1秒に1回(たぶん10ms程度)しか受信していないのだ。

 感度の測定は、局発が間欠発振から連続発振に変わるレベルを測定した。このレベルはスケルチが開くレベルより数dB低い。受信周波数130MHzのとき、130MHzの感度は-20dBμである。1st-Loのイメージである663.4MHzでの同レベルは64dBμ、2nd-Loのイメージは不感、3rd-Loのイメージ130.9MHzも64dBμとなった。何れのイメージも受信周波数とは80dB(電圧で1万倍)以上の差がある。

 またIFとそのイメージの感度を見てみると、1stIFが76dBμ、そのイメージが120dBμ、2ndIFとそのイメージは双方とも115dBμだった。

 しかし IC-R6は受信周波数帯ごとに回路等を切り替えているから、これは一例である。



2017年3月22日水曜日

IC-R6の周波数設定の怪2

CS-R6の機能が気になったので、前回の周波数を次のようにCS-R6で手入力し、保存してみた。

これをLT-R6で読み込んで表示させると、
 となる。 やはりCS-R6は何カ所か基本周波数に9KHzを選んでいる。

そこで同じ受信周波数で、基本周波数の違うこんなデータを入れてみた。

これを一旦CS-R6で読み込ませ、それを保存してLT-R6で読んでみた。

やはりCS-R6は基本周波数を一意に決めているようである。
一方、DUPを設定すると基本周波数も変わっている。たぶん受信周波数とDUPの周波数で基本周波数を一致させる必要があるのだろう。LT-R6はこの補正を入れていない。改修する必要がある。

ちなみに、IC-R6に図3のデータをアップし、ダウンロードしても内容はそのままだった。


2017年3月20日月曜日

IC-R6の周波数設定の怪1

以前、IC-R6で受信できる周波数は①5KHz(=25/5)、②6.25KHz(=25/4)、③8.33KHz(=25/3)、④9KHzの何れかの倍数である必要がある、と書いた。これはIC-R6の内部構造に由来しており、また基本的なチェーニングステップ(TS)でもある。
つまりIC-R6の受信周波数は内部では基本周波数(①~④の選択)×倍数として表現されている訳である。
そして、IC-R6のマニュアルによるとチューニングステップで③が選択出来るのはエアーバンドのみ、④が選択出来るのはBC(1M)バンドのみと書いてある。

まあ、そんなもんかとずっと考えていた。


今度、LT-R6を少し改造して、 ①~④の選択状況を表示出来るようにした(設定も可能)。そしてIC-R6を買ったときICOMでプリセットされていたデータを見てみた。

周波数欄の末尾の:0とか:3がこれである(0~3がそれぞれ①~④に対応している)。

 これをよく見ると、ここはエアバンドなんだけどBCバンド用の3(=④)が結構使われている。これってBCバンド専用じゃなかったっけ?ICOMさん。 他の周波数でも使えるの? 周囲の設定を見てもエアバンド用の2(=③)は全く使われてない。③って何なんだろうねぇ?

 前に書いたように、④を使わなくても全エアバンドを聞ける筈なんだけど、何故敢えて④を使っているのか?CS-R6がこう設定するの? PLLのロック時間は? 性能(スキャン速度)は落ちないの? 等々疑問は尽きない。


 ところで、 ①~④の基本周波数はどこから来ているのだろう? IC-R6の周波数は19.2MHzのTCXO(温度補償水晶発振器)を基準に生成するようになっている。MB15F63ULという周波数シンセサイザICがこれを担い、IC-R6の1st-Lo(第一局発)と2nd-Lo(第二局発)を発生している。3rd-Loは19.2MHzそのままである。


 近年のPLL技術は昔のそれよりかなり高度化しており、迂闊にもそれらをフォローできていなかった。 古典的なPLLの発信周波数は基準周波数÷m×nという式になる(mとnは整数)。このうち基準周波数÷mで基本周波数が決まり、そのn倍が発信周波数である。つまり基本周波数が周波数ステップであり、その整数倍を発振できる。これがInteger-N方式と呼ばれる従来からのPLLの考え方である。19.2MHzを3840で割ると5KHz、3072で割ると6.25KHz、2305で割ると8.33KHz、しかし9KHzになるmはない。でも6400で割ると3KHzになるのでその3倍で9KHzになる。これで理屈は合う。
 一方PLLは位相比較器からの出力を積分してフィードバックすることで発信周波数を決めるから、基本周波数が低いと積分時間を長く設定する必要がありPLLがロックするまで時間がかかる。従って5KHzステップで100ch/秒などのスキャン速度は実現出来ないだろう。

 近年のPLLはFractional-Nと呼ばれる方式が多く使われている。Fractionalとは分数を意味する。即ちnが分数でよいのである。従って周波数ステップと無関係に基本周波数を高く設定することができ、位相ノイズが低減できるとかロックが早いとかメリットが多い。近年のスペアナの分解能が格段に上がったのもFractional-N方式に寄る所が大きい。 IC-R6に使われているMB15F63ULはこのFractional-N方式の周波数シンセサイザである。

 MB15F63ULのカタログではPLLがロックする迄の時間は1msもかからない。IC-R6のスキャン速度は100ch/sだからチャネル当たり10ms。まだ余裕があるようである。





2017年3月11日土曜日

Mademoiselle Noir

YouTUBE見てたらMademoiselle Noir(Lady Black)という妙に耳に残る音楽にぶち当たった。



PPEPPINAという人が歌っているらしいが聞いたことのない名前だ。

そういえば水カンの「一休さん」も耳に残るなぁ。

・・・こういうのを挙げ始めるとキリがないから止めておこう。

でも、コムアイって逆にすると ICOM じゃねぇ?