2015年12月30日水曜日

最近のジャン測成果 (6632A+3457A)

 最近、こんな物を落札しました。




 下段の6632Aは100W(20V×5A)の電源ですが、なかなか賢くてシンク(負荷装置)にもなります。バッテリーにも充電できます。空冷ファンの音がうるさいのと見かけによらず10Kg以上あるのが玉に傷です。とくに重心の位置が極端に偏っているので最初に持ったとき肩を痛めてしまいました。大型バイクを扱うときと同じで、心して持たないと痛い目を見ます。
 フロントパネルの端子は落札後に自分で加工して取り付けた物です。やっぱりフロントに端子がないと使いにくい。
  内部的には電圧を12ビットで表すようになっています。つまり2^12=4096段階しか設定できない。パネルの表示は電圧4桁、電流5桁ですが、それをフルに使う精度では設定できない事になり中途半端な電圧・電流が表示されることが多いです。まあ、それもありとは思いますが、天下のHPとしては???設計ポリシーが気になるところ。

 上段の3457Aは6+1/2桁のDMM、腐ってもそれなりの精度で計れる筈。手持ちの5桁DMMと比べてもほぼ同じ値を示している。3457Aを我がラボラトリーの基準として使うことにして、他の測器はこれとRb発振器を基準に較正する予定です。ACレンジは周波数特性が1MHz位まで伸びています。
 早速これを使ってR6144を較正しました。

 デザインから見て両機とも同じ年代(90年代)に製造されたものだと思います。ジャン測の表示は年代とともに赤色LED→緑色LED→液晶と移っているようです。 液晶が残念なのはバックライトが無く、暗いところでは見えない事です。 そう、両方とも製造番号が消されていました。個人的には特に問題は無いですが、製造番号が無いものを較正に出せるのだろうか?


 実際に使ってみると電源入れてから表示が安定するまでウォームアップに数時間かかります。これは電源を入れっぱなしで使うようなプロ用ですね。普段使いにはやはり有効桁数の少ない簡易な測定器が便利です。おおざっぱなところはレンジや極性切り替えが不要な安易DMMを使って、微妙な所はアナログテスターが一番ですね、個人的には。

2015年12月7日月曜日

TR5835のExpanderはHPのInterpolatorなのか

 HPのカウンタが何故小数点以下2~3桁の周波数を短時間に計れるのかを調べている。本来なら小数点以下2桁を計るには100秒必要な筈だが、それじゃぁ使い物にならない。どうして魔法みたいな事が出来るのか?を調べてみてアプリケーションノート200(AN200)に行き着いた。

 HPの基本的なやり方は周波数をカウントする訳では無くて周期を計って周波数を逆算している。そこに幾つかのテクニックを使っているがそのキモは Interpolator である。

 Interpolation には Analog Interpolator とDual Verniar Method の2種類ある。前者は時定数の違う2つの積分回路を使って時間間隔を1000倍に伸ばし、その時間をカウントしている。後者はPLLを使って作成した高速クロックを使って周期をカウントしている。

 5384Aのマニュアルを見ると、トランジスター5個とOPアンプ1個だけの巧妙な回路でAnalog Interpolatorを構成し時間を200倍に延ばしている。

 ここまで調べると、HPがやっている Interpolator は Advantest の TR5835 のExpanderでやっている事と同じではないかと感じる。ただExpanderはOPアンプ6個を含むもっと教科書的な回路ではあるが。


2015年11月15日日曜日

自作クローニングケーブルの改修

 IC-R6クローニングケーブルの自作については、次のURLに書いているが、
 
ICOM IC-R6用クローニングケーブル(USBタイプ)自作

 最初、回路図のダイオードD1にはジャンクの基板から外した1S1588と思われるシリコンダイオードを使っていた。今年のハムフェアでショットキーダイオードを入手したので、 順方向電圧降下の影響がどれほどか試してみた。

 使ったのはROHMのRB441Q-40という10個120円で手に入れたこんなダイオード。

 次の波形はX軸が10ms/DIV、Y軸は2V/DIVで観測。中程の一点鎖線はオシロのトリガーレベルを表している。左のパルス列(Inquiry)が自作クローニングケーブルの送信データ、右のパルス列(Response)がIC-R6からの応答。問い合わせ終了から12ms位で応答を返し始めている。また1回の問い合わせ~回答全体は30msかかっている。

 このシリコンダイオードを使ったときの波形を見ると送信データの0レベルがシリコンダイオードの順方向電圧降下分の0.7V位浮いており、その分閾値(1.3V)までのノイズマージンが半分程度に下がっている。 
一方D1をショットキーダイオードに変えるとこうなり、0レベルが順方向電圧降下の0.2V以下に下がっており、1V程度のマージンが確保されていることがわかる。







2015年11月13日金曜日

SONY XC-711 の復活は可能か(その2)

電源ユニットの症状を調べると、SWレギュレータの起動によく失敗することが分かった。逆に言えば時々成功する訳である。

原因究明は後に回し、とりあえず電源ユニットを元に戻してカメラを起動してみた。

ノイズレベルの高い(黒であるべき場所があまり黒くならない)画像が表示された。しかも電源ユニットを触ってみると部品が火傷するレベルまで熱くなっている。インダクタや電解コンデンサも熱くなっているし、これじゃ復旧できても電解コンデンサが持たない。

そうこうしているうちに電源が落ち、二度と起動できなくなった。調べてみるとバックパネルに付いている基板の表面実装タイプのヒューズが飛んでいる。どうも、どこかに過電流が流れているみたいね。

その後ヒューズを調達し、様子を調べ始めた。電源は12Vで0.7A位流れている。時間とともに徐々に増加するので短時間の診断で済ませる必要がある。電解コンデンサがやけに熱くなってるなぁ。

とりあえず怪しい電解コンデンサ5個を手持ちの適当なものに交換してみると、消費電流も0.45A程度に落ち着き、発熱も無くなった。そうか、ケミコンがやられていたのか。とりあえずこれで良いみたい。

今度秋葉原へ行くときに買ってこよう。

2015年11月6日金曜日

Jitter、どうよ(TR5835は濃い)


 オークションでADVANTESTのTR5835 Pulse Jitter Counter を初値で落とした。約100MHzまでのパルスのジッターを100psの精度で計れるものだ。残念ながら今風のランダムジッターと系統ジッターを分けることはできない。そんな議論は無かった頃の製品だからね。

 中には10MHzのOXCOが入っており、これだけでも落札価格と釣り合う。落とした目的は手持ちの幾つかの発振器のジッターを計ってみたかったから。結果が悪ければ電源の改修をやるつもり。

  ケースを開けてみると、この年代に100ps単位を計ろうというので全体的に造り がしっかりしている。裏蓋のシールドもバッチリ、よく見ないと判らないが表示窓のLEDの前にもメッシュのシールドが入っている。3端子レギュレータの数も多い。回路のデジタル部分は親しみのある74LSシリーズのTTLで構成(ECLも少し)、大学時代にTIのデータブックを毎日見ていたから、名前を聞いただけで大体の回路がわかる。

CPUはセラミックパッケージの8088!,懐かしい。やる気になればソフトの解析も容易。クロックも8MHzの筈。

 で、この時代に作ったこの程度の軽い装置で10GHz相当の100psをどうやって計るの?と技術が判っている人なら誰でも思うだろう。

キモは特許技術の時間伸張回路(Expander)らしい。デジタルとアナログを組み合わせたこんな基板になっている。マニュアルを見ながら1週間ほど調べて動作が見えてきた。しかし調整方法は不明。
 要するに測定する時間を積分回路を使って電圧に変換し、同じ電圧を時定数を長くした積分回路で作ることで時間を伸張している。オシロで見ると300倍程度伸ばしているようだが、下手な作りだとこの回路自体がジッターでやられそう。あと最初の積分器の時定数がOPアンプのスリュレートと同じくらいでなっていて、本当にこれで大丈夫なの?最新の高スリューレートのOPアンプに交換したくなったが、我慢我慢。

あと、10MHzをアナログ的に8逓倍して80MHz(12.5ns)を作っているのも面白い。ここにPLLを使ったら何のジッター計っているか判らなくなるしね。

全体はこんな感じでCPU以外の4枚のカードはコネクタだけで止まっておりAgilentに負けているかな。CPUカードは2本のネジで固定されフラットケーブルでメインボードと接続されている。

 気になるのはOCXOの横に空冷ファンがあること(このOCXOは先が長目のナット回しがないと外せない)。OCXO(及び8逓倍回路)にはスタンバイ状態(電源スイッチOFF)でも電源が供給され発振の安定化に寄与している。このときOCXOを触ると若干温度を感じる。しかし電源ONと同時にファンが回り出しOCXOを冷やし始める。いくらOCXOだってこんな設計ってアリ?

 そこで実際に周波数(10MHz)を計ってみた。スタンバイ状態で15分のウォームアップ後に電源ONすると、ON時にノイズで周波数が変動する以外はその前後でも0.01Hz(10^-9)も変わらなかった。なかなか出来が良いみたいね。








2015年11月4日水曜日

頑張れCP-7D

長年愛用してきたSANWAのテスターCP-7Dが昨日突然全く動かなくなった。これとは別に超高感度のN-501も持っているんだけど指針の動きが遅すぎて普段の作業には使えない。DMMはチラチラしすぎて役に立たない。やっぱこの程度のアナログが普段使いの万能ツールとしては一番だ。是非とも直さなければ。

電池切れでも無いし、ヒューズも切れていない。おかしいなーと色々調べていたら、ロータリースイッチのプラスチックがヘタってブラシが外れていた。 エポキシで固めて、こうなりました。
元に戻して復活。テスターリードが酸化して接触不良になりオーム計が不安定になっているとずーっと思っていたけど接触が悪かったのね。修理して不安定さも無くなり新品に戻ったみたい。
まだまだ永~く使い続けるつもり。もうアナログはなかなか手に入らないからね。

最大のユーザはカミさんで主に電池チェッカーだけどまだまだ使えます。

2015年10月29日木曜日

ジャン測・・・ですか

老後の楽しみにと、1年ほど前からオークションで較正切れの中古測定器を漁ってますが、世間ではジャン測って言うみたいね。
新品はとても買えないし、ある程度の測定器なら小遣いで買えるレベルだし。
元々若い頃からオシロを持つのが夢だったんで、老後の趣味に丁度良いんだよね。

似たような人は多いみたいで、ジャン測で検索をかけるといっぱい出てきます。
ただ、スペアナとかベクトルネットワークアナライザなどの大物は置き場所がないので私には無理ですが。

ハムの方ではスプリアスの規定が厳しくなるみたいで、正規の測定器の需要も増えそうで、煽りを受けた買い換え需要でこれから先には無線機や測定器が色々出てくるんでしょうねぇ。しかし私みたいに細々とやってる場合は、ジャン測では書類が作れないのでQRTも考えなくてはいけない。

昨日落札したジャン測は本日発送されたので土曜日には届くでしょう。 中を開ける楽しみは子供の頃から変わらない。だから止められない。

2015年10月12日月曜日

SONY XC-711 の復活は可能か(その1)

オークションでSONYのXC-711というテレビカメラを格安で落札したんだけど、接続用のコネクタがプロ規格。落札価格より高いコネクタを別途調達する羽目に。
それで電源を加えられるようになったんだけど映像信号が出てこない。

まあ、破格値だからこれくらいはあり得る、ということでバラしてみた。
色々調べると、12V以外電圧が全くかかっていない。シールドケースに包まれた電源ユニットが怪しい。
本体(マザーボード)から外し接着剤や半田を取り除いてバラしてみるとこんな感じ(10円玉は大きさの比較のため)。
 
で、更に調べると、スイッチングレギュレータの小さな制御部分が怪しい。
 ここまで来ると、老眼ではよく見えないが何とか配線図を起こして修理せねば。正体不明のチップ半導体が足かせになりそう。

なお、全体はこんな感じで電源以外でも10枚の基板に部品がぎっしり。結構濃いです。
修理できたら何に使おうか?どれくらいのレンズが付いているか判らないので、復活してからですね。

2015年10月11日日曜日

サブナノ秒の簡単パルスジェネレータに挑戦(その4)

簡単パルスジェネレータを箱(タカチのUC8-3-6AAだと思います)に入れました。こんな感じ。

内部は、
底の基板は高圧発生部で、部品の都合で125V位出ています。パルス発生部はBNCコネクタのすぐ裏にコンパクトに纏めています。
 波形が歪んでいるのは一部に炭素皮膜抵抗を使っていてインダクタンス分があるからからでしょうね。チップ抵抗が入手できたら交換します。

観測されたパルス幅は1.5ns程度ですが、オシロスコープの帯域が500MHzなので鈍って観測されています。実際はもっと鋭いハズ。・・・どうやったら測定できるのか。

2015年9月30日水曜日

キンモクセイ、終わりました

夕闇に香る金木犀、最高ですね。
いつもは10月に入ってから香るのに、今年は9月中に終わりました。
春の桜と同様に毎年楽しみにしています。

中国原産で学名は orange osmanthus というらしいです。 英語名を調べてみましたが fragrant orange-colored olive という表記もありましたが説明的で本当にこれで通じるのかよくわかりません。元々西洋には無いんでしょうね。

2015年9月23日水曜日

LT-R6 for IC-R6 works on the Windows10 on a NetBook

LT-R6はWindows10上で動くのか? とくにRXTXライブラリーの互換性は大丈夫か? が気になって試してみた。

とはいっても、安定して動いているメインのマシン(Windows7)にWindows10を入れるなんて暴挙はできない。そこで Windows7 Starter の入っているlenovoのNetBook(S10-2)に目を付けた。これに入れてみよう。失敗しても実害は無いし。うまく行けばStarterの機能制限が緩和される。

S10-2は内蔵無線LANが1050Mbpsなので2GB以上ダウンロードできるのか?も心配だったけどとりあえず挑戦してみた。ダウンロードに3時間、インスト-ルに2時間半ほどかかったが無事Windows10がインストールできた。おまけにStarterでは機能制限で使えなかった壁紙も使える。

一方、顔認証でログインできたVerifaceが使えなくなった。これは痛い。 またExplorerがしゅっちゅうハングアップ(クラッシュ?)するが直ぐ再起動されるので我慢すればなんとかなる。


で肝心のLT-R6はCI-Vも含めて何事も無かったようにあっさりと動いた。

2015年9月17日木曜日

ヘタレなADVANTESTの押ボタンスイッチを修理(その2)

前回修理に使った中古タクトスイッチ、型番を調べるとALPSで現役のSKHHANA010なんだけど(関係は判らないけどオムロンからもB3F-1070として売ってますね)、アース端子付きのSKHHPNA010が何と秋月で1個10円で売っている!! 自分用に修理できれば良いのでこれは使えるぞ、ということで早速買ってきた。

 高さが9.5mmのタイプでアース端子は不要なのでカットして使う。そのままだと足の間隔が合わないので対角線上の2端子を使い、45度回転した状態で取り付ける。使わない2端子は内側に折り曲げる。これは(安定は少し悪くなるが)高さを稼ぐ意味もある。TR2114ではスイッチの下の基板面にパターンが無いのこれででショートする心配も無い。

対角線上の2端子を広げ気味にすると元のスイッチ穴に合わせることが出来る。足の長さが少なく基板の裏側には出ないので基板の表側からハンダ付けするのがコツ。また表側でハンダ付けすると位置や角度を調整しやすい。というのはこのスイッチは押すだけでなくロッドを傾けてもONになるので、ロッドが斜めにならないようボタンがパネルの穴の真ん中に来るよう取付に調整が必要になる場合もある。
 前回TR2114のパネルをここまでやったが、今回は残り全部を交換して
こうなった。ロッドの高さがオリジナルのスイッチより数mm短いが、ボタン(キートップ?)の穴が小さくロッドがボタンの奥まで入らないのでこれで大丈夫だった。ボタンはロッドをラジオペンチで挟んで回転を止め手でねじ込むようにするとうまく行く。
出来上がりはこんな感じ。キートップの高さを合わせるには少し忍耐が必要で時間がかかりそうだが、このままでも機能的に問題無いので若干デコボコだがそのままにしている。

TR2114でうまく行ったので、調子に乗ってスイッチが ヘタってたカウンタ(TR5821)にも挑戦した。
 こうなっていたのを、
 こうしました。出来上がりは、
こんな感じで、カチカチと小気味よく押せる。
なお、TR5821ではスイッチの下の基板面に配線パターンがあるので、ショート防止に絶縁物を挟む必要がある。私は曲げた足に細い熱収縮チューブを被せた。

導電ゴムのスイッチをタクトスイッチに替えた事でチャタリングが心配だったが、これら2台では特に問題は無いようだ。今度は自分のTR5822に挑戦しよう(まだヘタってません)

転売を考えないならこれで十分。ADVANTESTの中古は怖くなくなったのでオークションにも力が入りそう。

2015年9月14日月曜日

サブナノ秒の簡単パルスジェネレータに挑戦(その3)

その後・・・

このパルスジェネレータは2つの部分から構成されている。
1)電子雪崩を起こさせるために高圧発生部
2)電子雪崩によりパルスを発生させる部分

電子雪崩を起こしパルスを発生させる回路は簡単だ。トランジスタには手持ちの2SC321(Icbo=30V)を使ったが、古いうえに手持ちに余裕が無いので、試しにもう少し入手しやすい2SC1216(Icbo=40V)を使ってみた。しかしうまく行かない。色々やってみると90Vでは足りず最低110V位の電圧が必要な事が判った(Icboの3倍の電圧が必要らしい)。一方最初に作った回路は90V位しか出せない。 そこで秋月で少し部品を買い込み少し調べてみた。

途中経過は省くが、コイルとダイオードの選択が重要な事が判った。やはりコイルはQの大きな物を選ばないと損失が増えるばかりで電圧は上がらない。DC-DCコンバータ用らしき表面実装タイプの220uHが成績が良かった(後で調べると飽和しやすいトロイダルコアはこういう目的には不向きとの事)。またダイオードのリカバリタイムも重要である。一般整流用ダイオードよりファーストリカバリダイオード(整流用)の方が良かったが、それよりスイッチング用ダイオードの方が遙かに良かった。
こんな回路にしたら、電源が4V位あればちゃんと働くし、消費電力も150mW程度で済む(ちなみに前の回路では5V必要で300mWくらい消費した)。
500MHzのオシロで見た波形はこんな感じ(1GHzまで見えるのが欲しい)。
スイッチングレギュレータ用ICもLT1172を試してみたが電圧が上がらず、TL497Aの方が成績が良かった。次はJim Williams に敬意を表してLT1073もテストしてみたい。うまく行けば単三電池1本で動くハズ。

上の回路はまだバラック状態なので、箱に入れたら写真を掲載します。



2015年9月8日火曜日

ヘタレなADVANTESTの押ボタンスイッチを修理(その1)

仕事で使っているデジタル温度計(ADVANTEST TR2114)の前面パネルの押しボタンSWの大部分がヘタレて使えない。

ネットの情報によると、この年代のADVANTESTの押ボタンSWはヘタレで、あちこちで故障しているが製造中止で入手不可。

たまたま、修理した半田吸い取り器(HAKKO ACE707)のテストに使ったジャンク基板に付いていたスイッチが似たような大きさなので、これが使えないかと試すと、足の本数と間隔が合わない。

しかしこれを45度回転させ、4本足の対角の2本を使うと何とかなりそう。

 でこんな形で取付けました(とりあえず付けられる事を試した状態)。右がオリジナルの故障品、左が新しく取り付けたスイッチ。
ボタンが斜めになっているように見えるけど、パネルを取り付けるとちゃんと正しい位置に納まります。ストロークはオリジナルより短いけど問題無い。

ジャンク基板から取り外したスイッチ5個を普段使うボタンと交換してメデタシメデタシ。

ネットで調べると、このスイッチはAlpsで今も作っているみたい。
来週でも全部のスイッチを交換しよう。

(その2へ続く)




2015年9月3日木曜日

ガラクタ箱から(謎のIC)(その2)

その後、データシートを発掘しました。

1970年にはカタログがあったみたいです。
中身は 何と12V!!で働くデジタルICです(最大定格は20V)。

回路構成はRTLです(RTLはその後⇒DTL⇒TTL⇒C-MOSと発展した)。

LB1221: Dual T-Flip Flop with Clear (40KHz)
LB1291: Single Schmitt Trigger

だそうです。

たぶん当時あった、表示にニキシー管を使った電卓用ICなんでしょうねぇ。

今更使い道無いな~。

2015年8月23日日曜日

ガラクタ箱から(謎のIC)(その1)

ガラクタ箱にこんなICがありました。
 SANYOのLB1221とLB1291。随分昔から持っていますがどこで手に入れたか覚えてないし、ネットで検索しても何か分かりません。
メタルカン(TO-5)に入ってますが初期のデジタルICではなかったかな(LB1291には同名のDIPパッケージのICがありますが、これとは違います)。
今では博物館的な価値しか無いと思います。



2015年8月9日日曜日

HOME無線LANの異常(パワーアダプタがへたりまして)

我が家の無線LANがおかしくなりました。アクセスポイントの動きがおかしい。様子を見てるとアクセスポイント(AP)がリセットを繰り返している。

このAPは、前のAPがおかしくなったので、携帯のおまけにタダで貰ったAP(Home Spot Cube)に付け替えていた物。

色々調べると、APのパワーアダプタ(5V1A)がヘタっているようで、送信すると能力が足りずにリセットするみたい。パワーアダプタを手持ちの中古に付け替えて無線LANは復活した。

そこで、アダプタがどんなになっているかバラしてみることに。

 外形はこんな形。ラベルを見るとUSB充電器と同じくPLANEXさんの輸入中華品だね。

ケースは柔らかく、カッターナイフで切断し簡単に開けることができた。
 中を見ると蓋に液体が・・・やっぱりね。
緑色の電解コンデンサ(680uF10V)が膨らんでる。写真では見えないけどその裏にある一回り小さいの(220uF10V)も太り気味。もう1個の緑色の(47uF50V)は大丈夫かな。黒色(4.7uF400V)2個も大丈夫みたい。
緑色の電解コンデンサー交換したらまだ使えるかなー?

P.S.
実は前のAPもパワーアダプタ(5V2.5A)がおかしかった事が後で判明。 パワーアダプタ、特に電解コンデンサは要注意だね。

P.S.2
その後電解コンデンサを買ってきて交換しました(緑色を茶色に交換)。まだテストしてませんが大丈夫でしょう。



2015年7月25日土曜日

サブナノ秒の簡単パルスジェネレータに挑戦(その2)

とりあえず、手持ち部品を使ってバラックで組み立てて動かしてみた。回路はこんな感じで、あり合わせの手持ち部品で作ったので値は適当になっている。
電子雪崩に必要な90VはLinearTechのLT1073が無いのでTL497Aを使って5V供給で作った。ダイオードは名前も分からない電源用のもの。




で、テストをしてみてとんでもない事実に気がついた。100MHzのアナログオシロでは波形が見えない(プローブを使った場合)。
上がコレクタ電圧で、のこぎり状になっているから電子雪崩を起こしていることは明白なんだけど、下の出力が全く見えない。オシロをデジタルモードにしてみると何とかパルスが出ているのが見える。でも振幅が足りない。
そこで500MHzのデジタルオシロ(DPOモード)で見てみると、さすがに綺麗に見える。結構ジッターがあるけど(これもプローブ観測)。
試しに、これを使って同軸ケーブルの反射を見てみました。 意外と綺麗に出ますね。

この写真は長さ5M位の5D-2Vを終端解放した場合。終端を短絡すると反射波がマイナス側に出ます。 

500MHzのデジタルオシロで見たパルスは2ns、20V程度.。だけど本当はもっと細く高いハズ。残念ながらデモ用に準備できる測定器ではここまで見えないな~。 ということで、これで十分なので挑戦はここまでにしておこう。

2015年7月23日木曜日

サブナノ秒の簡単パルスジェネレータに挑戦(その1)

今度デモをやるので簡単なパルスジェネレータを探していたら、故Jim Williamsの回路に到達した。これは部品も少なく簡単に作れそう。

普通のSWトランジスタのスイッチングスピードは数十nsなので、これをまともに使ってもサブnsまで縮まらない。やっぱ電子雪崩を使った神様の回路は凄い・・・ハズ。

宝箱(ジャンク箱)を探して出てきたのは2SC321という超古~いSWトランジスタ。規格はそこそこの値。これで試してみよう。

2015年7月2日木曜日

TR5822のOCXO化(その3)


 その後DC-DCコンバータを調達し、OCXOを組み込みました。出来上がりはこんな感じ。

最初に書いたとおりメインの基板は74LS14でクロックを受けているので波形はよっぽど歪んでいない限り大丈夫・・・ということでOCXOの出力は水晶を外した所に入れてます。
 OCXOはヒータが入っているので、結構発熱します。周囲を断熱材で囲った方が良いかもしれませんね。現在はこんな感じです。


 さすがにOCXOは安定しており、最初に調整した後はRb発振器と比べて±1Hzもずれません。やはりしピタッとくるのは気持ちいいです。


Rb発振器とリサージュとってみました。こんな輪っかがゆっくりと回転するのは良い気持ちです。1回転に10秒かかるとすると0.1Hzまで合っているという事なんですよね。
Solar Impulse 2 も明日にはハワイへ到着しそうだし、今夜は良い夢が見れそうです。

P.S.
OCXOのレベル調整と、DC-DCコンバータの残留リップルの始末は時間があるときにゆっくり取り組みます。