2021年11月19日金曜日

セリアのソーラー・アクセント・ライト タイプ2

 セリアのソーラー・アクセント・ライトを買い足して内部を見たら前に買った同じソーラー・アクセント・ライトと構造が違ってた。端的に言えば回路基板の取付位置が異なり電池の真下になった。この事でLEDのハンダが電池を上に押し上げているものがあり、これは不味い構造だ。実際改造しているとハンダから突き出たLEDのリード線の先が電池の被覆を破りショートすることがあった。


回路的にはダイソーのソーラー・ガーデン・ライトと同じでICがYX8018B或いはZX808となっている。使っている部品の定数が異なる。L1が120μHと小さくなって消費電流が実測11mAと増えている。この理由はよく分からないが、よりLEDを明るくするためなのか或いはLEDの効率が悪いのを補うためだろう。これを補償する為なのか電池の容量が600mAhと増えているが太陽電池は前のままなのでバランスの度合いは不明である。

L1を 220μHに替えると消費電流は5mAになった。明るさは見た目にはあまり変わらない。これをいつも通り改造した。

使ったLEDは自己明滅するキャンドル色のOSY5MK5A31Aというものである。主要部分を一纏めに組み立て、
組み込んだ(この段階でLEDは未実装)。絶縁性を向上させるため、(写真には写って無いが)電池と基板や部品の間にはカプトンテープを挟んだ。

 光り具合は次の写真のようだ。

【LEDの不具合と回避】 今回使ったOSY5MK5A31Aは電圧をかけても光らなくなることがあり一見LEDが故障(断線)した様に見える。こんな症状を何回か経験し、その都度LEDを新品と交換した。不思議な事に取り外したLEDをテストしてみると正常に戻っている。このLEDを単体でテストしたところ、いったん0V以上0.1V以下の低い電圧をかけていると、その後電圧を上げても光らない欠陥がある。どうも内部で一時的にハングアップ的な現象を起こしているようだ。

ソーラーライトの経験で言うと、太陽電池に弱い光を当てた状態でスイッチをONにするとその後暗くなっても光らない。こういう場合は一旦スイッチをOFFにして暫く太陽電池を覆った状態で放置した後スイッチをONにすると復活する。奇妙な現象だ。電源がOFFでも太陽電池の起電力がIC1を通じてLEDに加わっているのが要因の1つだろう。これを解決するために電源OFFの時はLEDの電荷を強制解放するように次の回路に変更した〔第一の回避策〕。

この変更で不具合は少し改善された。つまり電源ONで点灯しなかった場合、太陽電池を覆った状態でスイッチをOFF-ONすると復活する。さらに次の改造を試みた。


この回路では電源をOFFにしてもD3を通じてLEDに1.2Vの電圧を加印している。この電圧ではLEDは光らないが能動状態を維持することができる〔第2の回避策〕。
D3はどこにでも転がっているような普通のダイオードである。R1は万が一LED周辺の回路がショートした場合に電流を制限するための抵抗で通常は電流は流れないので値は適当に選べばよい。この回路ではバッテリーの過放電で万が一スタートを失敗するとLEDは永久に光らないので、その時は一度電池を抜いて暫く放っておいて再度電池を入れてスタートさせることになる。
 結果的に言うと第2の回避策は使い勝手が悪い(もしもの場合に分解して一旦電池を取り出す必要がある)。改造はやや面倒だが第1の回避策の方がよい。

 

上と同様に、LEDを2個直列にして明滅させる物も作った(この回路にも【LEDの不具合と回避】で述べた第1の回避策を適用したほうがよい)。

実装は次の様に組み込んだ。

赤と青のLEDを使うと次のような光り具合でイイ感じだ。消費電流は変わらない。
 
赤と緑は次の様な光り方だ(手持ちの関係で緑はスモークのLEDなので水平発散が強く出て横からでは赤が控えめに見える)。

百均のソーラーライトの電池は100mAhの物が多かったが今回のライトは600mAhのものが使われている。これだと本来はフル充電で120時間持つはずであるが実際に使ってみると朝まで持たない事がある。太陽電池の発電能力も気になるところである。電池の重さは100mAhのものが5gに対し600mAhは6gで大きな差はないので600mAhの容量はどうなんだろう。ちなみに秋月で買った900mAhの物は11.5gあって中身が詰まってる感じ。

【注意】セリアの本ライト添付の説明書に「電池交換や改造はおやめください」とあるので改造する場合はあくまで自己責任でお願いします。

【その後】1年近く改造を繰り返してきたが内蔵バッテリーはいつの間にか600mAのものが使われるようになっている。計算上はこのバッテリーで十分な容量があるはずであるが実際には陽射しの強い九州の夏でも朝まで持たなかった(L1はオリジナルの120μHのままでテスト)。同じバッテリーを搭載した吊るソーラーライト(これもL1はオリジナルのまま)は朝まで光っているのでソーラーアクセントライトはソーラーセルの面積が狭い分バッテリーを十分充電できるだけの発電能力はないと思われる。ただ、バッテリーを秋月で売っている900mAのものに変えると(個体差はあるが)朝まで持つたので相性(たぶんバッテリーの内部抵抗が高く充電効率が悪いか或いはソーターセルの能力にバラツキがある)の問題があるのだろう。別の対策としてL1を220μHに交換して消費電力を抑える工夫が有効かもしれない。昼が短く夜の長い冬季に朝まで光らせるためには電池とL1の両方の対策が必要だろう。

2021年11月11日木曜日

ソーラー・ガーデン・ライトにLED2色を搭載する

 以前ジャック・オ・ランタンに赤色LEDを2個直列に搭載した。赤色LEDはVfが1.8V程度と低く、特性の揃ったLEDを2個直列にしても見かけ上のVfが3.6V程度になるだけなので問題は生じない。並列に繋いでも良さそうだが電流が2倍になるので電池の消耗が早くなりそうである(試してない)。

一方色の異なるLEDはVfも異なるため、これらを並列に繋いでもVfの低い方だけが光る事になる。これを防ぐため直列に繋ぎ同一の電流を流してやる必要がある。

元々明るい紫を作りたかったが秋月で入手できるLEDは無かった。そこで赤と青を組み合わせてて紫を作ってみた。秋月には2色入りのLEDも売っているが内部接続がアノード・コモンやカソード・コモンになっており直列接続としては使えないので2色別々のLEDを組み合わせた。青色LEDのVfは2.6V位あるため赤との合成Vfは4.4Vになる。使うLEDは5mmΦでは場所的に大きすぎるので3mmΦのものを使った。

 

実際に作ってみると紫も見えるが青と赤が混在したギラギラした感じで紫単色より良い感じである。


これに味をしめて赤と緑の組み合わせも作ってみた。緑色のVfは2.8V位あるため合成Vfは4.6Vになる。そこでD2には5.1Vの物を使った。

緑がやたら明るく見えるが、それは手持ちのスモークLEDを使ったので水平方向の散乱が強いためである。 

2つの2色ガーデンライトを並べてみた。写真では色が十分表現できないようだ。


なお光の3原色のうち青と緑の組み合わせは試していないが、これは青緑の明るいLEDが既にあるからである(信号機の青として使われている)。


2021年10月18日月曜日

セリアのソーラー・アクセント・ライトのRGBフルカラーLED化 Incorporating RGB full-color LED into cheap solar accent light

 セリアのソーラー・アクセント・ライトは太陽電池が3cm×3cmと前出のダイソーのソーラーライトより小さく面積で約56%しかない。


これを分解すると次のようになっている(これらとは別に土に挿すための杭が付いているが写真からは省いている)。


 この回路をトレースするとダイソーの吊るソーラーライトと同じである。しかし消費電流を計ってみると4.5mAと少ない。太陽電池の面積はこの消費電力に見合った設計になっているのかもしれない。


 内蔵の単4のニッケル水素(NiMH)電池は容量が100mAhなので、消費電流から計算すると20時間以上持つが説明書によると点灯時間は8時間となっている。

このライトにはゆっくり色が変化するRGBフルカラーLED(OSTB5131A-ID)を付け、直流点灯させるため次のように改造した。

 少しやり直した部分があるので配線が汚くなっているのはご愛敬。

このライトの光り具合は次の動画(4倍速)のとおり。

太陽電池の面積が小さい分起電力が弱いようで、前出のソーラーライトと比べ夜間照明のあるような少し明るい所でも夜間点灯できる。

【注意】セリアの本ライト添付の説明書に「電池交換や改造はおやめください」とあるので改造する場合はあくまで自己責任でお願いします。


 

 

2021年10月15日金曜日

ダイソーのソーラー・ガーデン・ライトにRGBフルカラーLEDを組み込む Incorporating flashing RGB full-color LED into cheap solar garden light

 いまは様々な色のLEDが売られているが、それに加えて様々な機能を内蔵したLEDが売られている。その中にはRGB(赤緑青)のLEDを搭載し、直流電圧を加えるだけで色を時間とともに変化させるものがある。

今回使った RGBフルカラーLED(OST1MC5A31A) もその1つで、直流を加印するだけでかなり早い周期で色を変化させ、けっこう目立つ変化をする。これを使う事でキャンドル駆動用のICは不要となる。

OST1MC5A31Aの動作原理はLEDに内蔵する発振器の作るパルスをカウントし、カウント値によってRGBの各々をそれぞれ独自のパターンで光らせるものである。

この OST1MC5A31Aを使うにはLED内部の電子回路の動作を乱さないよう直流で点灯させる必要がある。一方パルス駆動であるソーラー・ガーデン・ライトのLEDを単にこれに交換するだけではうまく機能しない。つまりソーラー・ガーデン・ライトのLED駆動パルスを直流に変えてやる必要がある。それをやるには単純には次の回路にすればよい。

 この回路ではD1とC1でパルスから直流を作っている。一方、OST1MC5A31Aは明滅するLEDなので光っていない瞬間のC1の両端、或いはIC1のLX端子の電圧はピークで7~8Vに達し、これはIC1やLEDの最大定格を超え素子を破壊する可能性がある。つまり、この回路を安定に働かせるためにはピーク電圧を下げてやる必要がある。そのために次のようにする。

この回路ではD2でピーク電圧を押さえ、さらにC2を追加することで脈流を平滑化している。実験の結果C2を100μF程度に増やせばC2の両端の電圧はD2が無くとも最大4V程度に抑えられるようだ。

このライトの光り方は次の通り。

 なお、この回路の消費電流は5.5mAであった。 

OST1MC5A31Aは変化が激しく視覚的刺激が強い。もし室内の窓際などでもっとゆっくりした色の変化を楽しみたいならLEDには30秒程度の周期で変化するOSTB5131A-IDを使う方が良いだろう。OSTB5131A-IDを使う場合は連続で光るのでD2は不要である。


2021年10月7日木曜日

ダイソーのソーラー・ガーデン・ライトのキャンドル化 Make flickering lantern from cheap solar garden light

 吊るソーラー・ライトに引き続き、同じく100円で売られている「ソーラー・ガーデン・ライト」をカラーキャンドル化した。これは前出の吊るガーデンライトに比べ角が尖ったままの形状である。太陽電池は4cm×4cmと吊るソーラー・ライトと同じ大きさである。



本体は吊るソーラー・ライトとほぼ同じような構造であるが電池ホルダーが作り込んでありネジを外さなくても電池を交換できるようになっている点、及び下部にピラミッド型の反射板があって水平方向に光を散乱できるのは良い。

残念な点は、 吊るソーラーライトと同じ値段でありながらこちらが部品点数が多いためか仕上げが雑な点が気になる。全部で8個買ったが1個は太陽電池が浮いてガラスのエッジが出て危ない状態だったので交換してもらった。はんだ付けも雑である。吊り下げる部分がプラスチックなため、紫外線で劣化して日が経つと落下しないか気になるところである(強風に耐えられくて落下する事がある事はその後経験済み)。



使っているICが YX8018B で吊るソーラー・ライトとは配線図が少し違うが基本は同じである。またL1の値が違うほか、消費電流が約5mAと吊るソーラー・ライトの半分以下なので省エネになっている。この理由は、昇圧回路のスイッチング周波数がカタログ上YX805Fの100~250KHzに対しYX8018Bが200~340KHzと高く、そのぶん高効率になっている事だと思われる。ちなみにジャック・オ・ランタンで使ったCL0116のスイッチング周波数はカタログ上100KHzになっておりYX805Fと同様なのだろう。


これを次のように改造した。吊るソーラー・ライトと同じく基板のパターンを1ヵ所切断する必要があった。


 この回路で緑と青のライトを作ったが青色LEDは暗かったのでL1を100μHに変更した。このとき緑の消費電流は4.5mA、青が10.5mAであった。

 

 これまで使ってきたLEDは適当に選んだもので必ずしも目的に合ったものでない。本件に関係するLEDの仕様項目には光量(及び順方向電流If)、半値角、順方向電圧降下(Vf)等があり、標準的な電流(If=20mA)に於いて出来るだけ明るく、また半値角が広い物が望ましい。

改めて秋月のWEBから適切そうなLEDを選んで実装してみた(次表参照)。

黄緑については適当な光量のLEDが見つからなかった。また紫(紫外線)は電流を増やし(L1の値を減らし)ても可視光は暗く、本ライトには不向きのようだ。

変更したL1を元の値に戻し、これらのLEDを使ったライトを作成して物干しに並べてみた。

 なおこの中の奥の方にあり色の変化している1個は次回に説明するRGB-LEDを使った物だ。

IC保護などを考慮した最終的な回路を次のようにした。

C2の電圧を観測したところでは保護用のD2は必ずしも必要ないようだ。


 

2021年10月2日土曜日

ジャック・オ・ランタン(Jack O'Lantern) のLEDキャンドル化 Add flickering function for LED in my Jack O'Lantern

 2年ほど前に置物のジャック・オ・ランタンにLEDランプを仕込んだ。

今回、このLEDをキャンドル化した。手法は前回のソーラーライトのキャンドル化と同じである。回路図は次の通り。白丸より左は従来のソーラーライトの基板をそのまま流用して作成している。白丸より右をユニバーサル基板に組み込んでジャック・オ・ランタンの中に仕込んだ。

L1を330μHから68μHに替えたことで消費電流が13mAから55mA程度に増加した。


ここまで出来たので、改めて秋月で入手可能な部品を使って全てを新しく組み立ててみた。

IC1にはCL0116を使った。YX805Fとはピンコンパチブルであるが昼夜の識別レベルが少し異なるようである。


キャンドル駆動ICはOSCDIC6441とは別にCDT3460というICのも売っていて互いにピンコンパチブルであるが、これらで駆動したLEDの光り方を比べたところCDT3460は揺らぎが単調なのでOSCDIC6441を採用した。CDT3460が無風状態の仏壇の蝋燭、OSCDIC6441が風の中の蝋燭といった雰囲気である。次の動画で左がCDT3460、右がOSCDIC6441の明滅である(左のLEDは3mm黄色、右は5mm蝋燭色)。

また手持ちの赤色LEDでは暗かったので、高輝度で指向性の緩い(半値幅が広い)LED(OS5RPM5B61A)に交換した。

 L1についてはLEDの種類や夜間の周囲の明るさ、電池の持ちを加味して4つの値(47μH,100μH,220μH,330μH)から選べるようにした。これらを試したところ220μHより小さくしても消費電流が増えるだけでLEDはあまり明るくならないので、現状では220μHが良いようである。ちなみにこの時の点灯時の消費電流は15.5mAであった。消費電流の増加を見込んで太陽電池に少し大きなものを使い、NiMH電池は単3にした。

これを玄関に置いてみたが照明に負けない明るさがある。

 

玄関は北向きで直射日光は射さないがランタンは毎日朝まで光っている。

2021年9月26日日曜日

ダイソーの「吊るソーラーライト」をキャンドル化する Make flickering lantern from cheap solar light

ダイソーで100円の「吊るソーラーライト」を買った。

上面に太陽電池が張り付けてある。 昼間に太陽電池でニッケル水素電池(NiMH)を充電し、夜間はこの電力を使って発光ダイオード(LED)を点灯するものである。日が暮れて太陽電池の出力電圧が低下すると夜間モードになりLEDを点灯させるようになっている。 
このライトを選んだ理由は上面の太陽電池が4cm×4cmと100円のわりに他のライトより大きかったからである。

全体は上下に分かれ、上部(蓋に相当)が機能が集約された本体であり、下部は模様が透かし彫りで刻まれた箱である。

ソーラーライト本体はネジ4本を緩めることで簡単に分解できる。中には簡単な片面基板と単4ニッケル水素電池が入っている。

回路をトレースしてみると次のようなものである。

回路はYX805Fという4本足のICを中心に構成され、このICで全てを制御している。このICは太陽電池の電力をニッケル水素電池に充電するとともに、太陽電池の起電力が低下すると夜モードに切り替わりLEDを点灯させる。実測すると太陽電池の起電力が約0.4V以下になると夜間モードに切り替わるようである。さらにスイッチング方式の昇圧器を備え、Vf(順方向電圧降下)が3V位あるLEDを1.2Vの電池で駆動する機能を持っている。

 この回路を、秋月で売ってるキャンドル駆動IC(OSCDIC6441)を用いて次のように改造した。

IC2がキャンドル駆動用ICである。このICのVDDに2~5Vの電圧(LEDのVfより高い必要がある)を加えるとLED端子に接続したLEDの光をキャンドルのように揺らめかせる(明滅させる)ことができる。D1とC1は平滑回路で、IC1で作った駆動用電圧(パルス)を平滑化し直流にしてIC2に供給している。D1には順方向電圧降下の少ないショットキーダイオードを使うのが良いが私は手持ちの普通のシリコンダイオードを使った。回路のスイッチング周波数が数百KHzと高いのでC1には周波数特性の良い積層セラミックコンデンサを使った。

改造は、LEDを好きな色に交換し、基板のパターンを1か所カットし、3個の部品を取り付けるだけで済む。

この回路を組んで何色かのLEDを付けて比べてみた。次の動画で右端はオリジナルのソーラーライトで、それ以外は改造品(左から緑、蝋燭色、赤、青)である。

赤色のLEDが思いのほか暗い。これは使った赤色LEDの光量が少ないためだと考えられる。その対策として赤色LEDを2個直列にしたら次の動画のように少し明るくなった。赤色LEDは電圧降下(Vf)が少ないため2個直列でも光らせることができ、その場合でも消費電流は何故か増えなかった。

 

ライトの明るさはLEDの電流と発光効率に依存するので良く光るLEDを選んだほうが良い。緑のLEDは他と比べて明るいが、これはLEDのデータシートによると他に比べ光量が約3倍あるようである。またL1の値を変更することで電流を制御することができるが、電流を増やすと当然電池の「持ち」も悪くなる。YM805Fのマニュアルを探す事が出来なかったので代わりにYM805Aのマニュアルにある定数を見ると次の様になっている。

私の使ったLEDでは青と黄色が暗かったので、これらのL1を220μHに変更した(消費電流が2割ほど増加した)。

回路の消費電流の実測値は12mA程度であり内蔵のHiMH電池が表記通りの容量(100mAh)だとしてもフル充電で8時間しか持たず朝まで光らせる力はない。これを国産品の750mAhのものに交換して一晩持つようにする事ができた。

 とりあえず8個ほど作ってベランダの物干しに吊るしてみた。

LEDには指向性があり下向きに取り付けているため(使ったLEDの半値幅は60度~70度)光が出来るだけ水平方向に拡散するようランタンの中に縮れさせたアルミホイルを丸めて入れている。

なお秋月ではLEDに被せるキャップを扱っているので、(好みによっては)それを使って光を拡散させるのも良いだろう。 

キャンドル駆動用IC OSCDIC6441(IC2)の入力電圧の絶対定格は5.5Vであるが、LEDが消灯している瞬間はこれを超えピークで7~8Vになる。(実際、制作の途中で何個かOSCDIC6441を壊した)IC2を壊したくない場合はC1と並列にLEDのVfより少し高い電圧(色にもよるが概ね3.6V程度)のツェナーダイオードを入れると良い。

また何らかの要因でLEDがほとんどチラつかない場合がある。とくに悪天などで充電不足となり電池が消耗して電圧が下がった場合に顕著のようである。これはC1と並列に100uF程度の電解コンデンサを入れて直流を安定化させると改善されるようだ。

これらの修正を加えた回路は次のようになる。


この図ではD2の位置が上に述べた場所と違うが、同じ効果が得られ、またこの方がIC1の過電圧保護にもなるだろう。ただ、C2を入れることでピーク電圧が抑えられ電圧が安定するのでD2は必ずしも必要ないようだ。

【不具合】色々テストしている間にキャンドル駆動用IC OSCDIC6441には次のような不具合がある事が分かった。即ちVDD端子に10mV程度の電圧を加えた後その電圧を上昇させてもLED端子に接続されたLEDは光らない。この現象で一見OSCDIC6441が壊れたように見えるが電圧をかけずに放っておくと復活している。ソーラーライトでこの不具合が発現するのは電源SWがOFFの状態で太陽電池に弱い光が当たってる場合や曇り続きでNiHM電池が消耗した時である。

これを復活させるには、
(1)もし電池が消耗している場合はスイッチをONして数時間太陽光に当て、NiHM電池を充電する。
(2)その後太陽電池を覆った状態でスイッチをOFFにしてそのまま暫く放置しておき、その後太陽電池を覆った状態で電源をONにする。

復活するまで(2)を繰り返す。
別の方法としてOSCDIC6441のVDD端子に(テスターの抵抗計などで)弱いマイナスの電圧をかけてやると直ぐ復活するがその為にはソーラーライトを一度分解する必要がある。

【その後】1年ほど使ってみたが、やはり防水がキチッとしておあらずいくつか問題が発生した。まず(1)ソーラセルの周囲から雨水が侵入してソーラーセルの電極辺りが腐食したものが出てきた。防水するために一度ソーラーセルを取り外したいが接着されていて力を入れたら割ってしまって諦めた。仕方ないのでソーラーセルの周囲を紫外線硬化樹脂で埋めてみた。(2)電源スイッチが錆びてきた。これは CRC 2-26 をスプレーするくらいしか対応はない。(3)LEDを出っ張って取り付けていたがLEDの付け根がU字に凹んでいてここに水が溜まり電極の付け根を腐食させた。これもLEDの付け根を紫外線硬化樹脂で埋めるとともに、基板からあまり突出させないよう取り付け直し、ケースとLEDの隙間も紫外線硬化樹脂で埋めた。