2023年10月22日日曜日

出入り検知器をPCB化する(その1)


前回の出入り検知器
で PIC16F5325では信号線数=足の数が足りなくなり、またメモリー不足となったので新しくPICを選びなおした。今回使うのは1つ上位のPIC18F27Q43である。このPICには2個のSPIインターフェンスと5個のUARTが搭載されており、さらにプログラムメモリーが128KB搭載(16F5325は14KBだった)されており今回の目的にぴったりである。さらに秋月で多くのPICが欠品になっている中で在庫があり価格も330円とお手頃である。一方難点としては足の数が28本あり基板上で2倍の面積を占めるためプロトタイプ用基板に乗らず製作がやや面倒である。

そこで今回は最初に専用の基板を起こす事とし、それと並行してソフトを開発することとした。

 受信部は次の2枚で構成される。赤外センサーを搭載する1枚目は更に2分割し、センサーを20cm離れて配置する。この基板にはVカットという手で割るための溝を入れてもらいたかったが、そうするためにはパネル化といい基板をm×n枚並べて面積を増やす操作をする必要があるが、今回はその数も必要無いし勉強不足もあり断念した。

2枚目が受診部の本体である。

 

送信部は特に変わっていない。前出の回路をそのままパターン化した。

 

これら3種の基板を各5枚ずつ発注し(発注数の最小要件が5である)、最も安い配送料も合わせて全部で11ドルでお釣りがくる(一部ディスカウントを含む)。 

基板の発注と並行してソフトを開発していたが、重大な問題に直面した。PIC18F27Q43の各信号とポートの間のマッピング(PPS)に、例えば次のように制約があるのである。例えばSPIのデータとクロックはポートAにマッピングできない。

入力

出力

基板は、全ての機能が任意のピンにマッピングできる事を前提に設計したのでこれには参った。配線のカットとジャンパー接続が必須になる!!!PIC18F27Q43のマニュアルは英文で千ページほどあるので細かい所は読み切れていない。

何処を切って何処にジャンパーを繋ぐかを知るために、実際に使う機能と足の関係を調べると、何と、ソフトの設計変更だけでジャンパー無しで済むことが分かった。 例えばUART3⇒UART4、UART5⇒UART3の変更で済む。これはUART毎に使えるポートが違うからである。

発注から1週間ほどで基板が届いたので、組み立てた。CADでは部品の密度をできるだけ上げたつもりでも、実際に基板を組み立てるとスカスカである。そして幾つかの問題を見付けた。1つはスイッチのフットプリントがインチサイズではなくmmサイズになっていて、挿入に少し無理があった。もう1点は回路図⇒基板の間はCADでチェックされているので問題はなかったが、大元の回路図が間違っていた。具体的には可変抵抗のピン番号が逆順であった。つまり可変抵抗は3つの端子が左利回りに1,2,3の筈であるが、私が使った製品は逆順であり(同じモデルで正順の製品もある)、右に回すほど音が小さくなる。あと、音声合成ICの通信モードの2つの選択ピンの番号が逆であった。いずれも基板のカットとジャンパーで修正した。

これらの誤りは次の発注ではで修正する。

(続く)

2023年10月21日土曜日

エレクトーンのFDDの修理を試みる

 子供が使っていたYAMAHAのエレクトーンを再び使おうとしたら3.5"FDD(その道ではMDRと言うらしい)の読み込みがエラーとなり読めない、長い間放っておいたので予想された状態であるが。そこで昔持っていたはずのクリーニングディスクを探したが行方不明。仕方なくネット情報を元に下の7本のネジを取ってキーボードを上に開け、

中にあって厳重にアセテート粘着テープで防振処理されているFDDを取出してヘッドを掃除、可動部にグリスを塗ってみた。

これを元に戻し、数枚のFDDの一部は読めたが、多くはエラーを起こし読めなかった。FDドライブが悪いのかフロッピーディスクの磁気が劣化しているのか。

ネット検索を続けると、2012年頃にはFDDを交換した話や、これに対応した楽器の修理屋さんの情報があるが、その時点でFDD自体は製造中止になっていたようだ。それから10年以上も経っており、今更FDDが入手できるのだろうか。

このエレクトーンに内蔵されていたFDDはラベルに型番がALPSのDF354H121Fで03-15とあるから製造は2003年の15週のようだ。そこでオークションでALPSの型番がDF354で始まるFDDを調べてみると思ったより多くが出品されている。しかし同じ型番は無い。多くはSONYのPCに内蔵されていたもののようだが動作確認されたものは殆どない。その中で型番がDF354Nで始まる未使用新品が手頃な値段で即決で出品されていたので思わずポチった。同じ34ピンのIDEインターフェイスで、初期のWindowsには当たり前のように使われていたデバイスなので互換性に問題は無いだろう。

しかし型番の違いが気になる。そのまま使えるのだろうか。ネットで検索しても有用な情報が出てこないが、DF354Hが2モード、DF354Nは3モードである事が分かった。

更にDF354Hは内部のジャンパーを変更することで3モードに変更できる事もネット情報にあった。だったらDF354Nもジャンパーの変更で2モードに出来るかもしれないがここら辺りの情報が全く無い。

そしてDF354Nが届いた。2010年製のようだが未使用新品だから劣化は殆どないと思われる。ベゼルやイジェクトボタンが白色だが、これは古い方から移植すれば何とかなる。ちなみに内部の回路は比較的コンパクトにまとまっており、2つのLSIを中心に構成されている。大きい方の正方形のICがメインコントローラと思われるが旧型と同じものだった。小さい方のICはスピンドルモータのコントローラと思われるが、これは別物になっていた。


ジャンパーは次の様に設定されていて異なっているのはMS2だけである。MSはモードセレクトの略だろう。DSはデバイスセレクト、FGはフレームグラウンド、DNSはdensity(記録密度)かな。INはよく分からないが挿入検知かもしれない。
 これならDF354NからMS2のジャンパーを外せば上手くいく可能性が高い・・・やってみた。

そしてこれを組み立て、エレクトーンに仮付けしてみた。一応読めるFDもあったが旧型と結果は同じであった。つまりFDDに問題はなくフロッピーディスクの磁気が弱っているのであろう、と言うのが結論である。

残念な結果となったが新しいFDDは予備用として保管しておく事にした。