2026年7月18日土曜日

LiDARを使った相対速度計(その9)

 PICを16F18326に変えることで、LiDARとの間の通信はI2Cに限定された。一方新品のLiDARのインターフェイスはデフォルトでUART(460,800bps)に設定されているのでこの矛盾を何とか整合させたい。以前、ポートを直接ソフトウェアでON/OFFしてUART信号を作り、460,800bpsを9600bpsに落とすことが出来たが、その応用として9600bpsのソフトウェアUARTを作りたい。とりあえず送信だけ出来れば何とかなるので作ってみた。そのコア部分は、

#define TX_OUT      LATAbits.LATA4

#define DLY_9600BPS __delay_us(100)     //Bit width shall be 104us 

static void send_byte_9600(byte data){

    TX_OUT      = 0;   DLY_9600BPS;  // Start bit
    byte cnt = 8;
    while(cnt-- > 0){
        TX_OUT  = data & 0x01;
        DLY_9600BPS;                // Data Bit
        data >>= 1;
    }
    TX_OUT      = 1; DLY_9600BPS; DLY_9600BPS;  // Stop bit  
}

void u2raw_send_cmd(byte *data, byte len){
    for(byte n=0; n<len; n++){
        send_byte_9600(*data++);
    }
}

である(同期ずれを防ぐため2StopBitsとしている)。また9600bpsに相当するビット幅は104μsだがオーバーヘッドを考慮して100μsの遅延を入れて試したら動いたので、そのまま使っている。なおこのプログラムを呼び出す前段階として出力ポートの設定や、同期ずれを防ぐための割り込み禁止措置が必要である。受信はサポートしていないので正確にはUAT(Universal Asynchronous Transmitter)だ。

これを使えばUARTでLiDARの一通りのコマンドを実行できる。完全なソフトウェアUARTを作る事もできるが、それは後回しにしよう。

とりあえず、ドライバーの立ち上がり時のLiDARの制御は、

  1. ソフトウェアUARTで460,800bpsを9600bpsへ落とす。
  2.  ソフトウェアUARTでインターフェイスをI2Cへ変更。
  3. 以降I2CインターフェイスでLiDARと通信。 

とする。2.のI2Cインターフェイスへの切り替えは次のようなコマンドをソフトウェアUARTで生成している。


LiDARは一旦I2Cへ切り替えると以降はUARTへ戻すコマンドを実行しない限り一旦電源を切ってもI2Cのまま保留されるが、I2C通信時にUART信号を送っても無視されるので実用上はこれで特に問題はない。

 (続く)

 

 

2026年7月14日火曜日

LiDARを使った相対速度計(その8)

 さて、PIC上で動かすI2Cのドライバー(プログラム)であるが、以前、見様見真似で納得しないまま作ったものを再利用してみたが上手く行かない。最初は何とか動いたように見えたが、ソフトを弄っているうちにLiDARが全く応答しなくなり、不正なデータを送って内部状態が異常になったか壊れたと思ってLiDARをもう1個買い足したりしたが結果は変わらなかった。

仕方が無いので改めてI2Cドライバーを作り直した。今回はハード/ソフトに関する理解が進んだのか意外とすんなりと動き、LiDARも正常な応答を返すようになった。

I2CでLiDARを扱う場合は先ずIDを読んでみて、IDを正しく読めているかを確認する。 I2Cの場合、データの書き込みより読み出しの方が少しややこしいのいで、読み出しが成功すれば一安心だ。実際のI2Cのトレースを取得してみると、

LiDARのIDの取得、 

 測距データの取得、

ソフトウェアバージョンの取得、
シリアル番号の取得、

レーザーON、

なおTSD20でレーザーをOFFにすると測距データは20,000mmに固定される。

 (続く)

 

2026年7月13日月曜日

LiDARを使った相対速度計(その7)

 TSD20は思いのほか小さかった。コネクタも小さいので抜き差しすると壊しそうだ。接続線も簡単に切れそうに細い。

TSD20では測定頻度を毎秒50回を含む他の頻度に変更するのも上手く行った。

 TSD20を空に向けると測定値は20000mmとなり、マニュアルにあるような50000mmでは無い。これはTSD50のマニュアル記述の使い回しで修正を失念したのかな。

LiDARにUARTでSTOPコマンドを送ると1秒1回程度の頻度で次のデータを自発的に送ってくる(6番目の0xf0はチェックサムだ)。 

5a 0f 02 ff ff f0

 これが何を意味しているのかマニュアルに記述が無く、ネット情報も無く皆目分からない。たぶん Keep Alive 的な性格を持っているものと推察する。

 

さて、TSD10やTSD20ではUARTインターフェイスで上手く行ったが、一方TSD50では毎秒500回という固定した測定頻度の関係で9600bpsではデータを送りきれない。そこでI2Cインターフェイスに挑戦する事にした。併せてPICを容量の大きいPIC16F18326に変えるが、このPICには2個目のUARTが搭載されていないのでI2C専用、或いはソフトでUARTを実現する必要がある。

PICとのインターフェイスでLiDARでデフォルトのUARTを選んだ場合、UARTは全二重通信なのでデータはLiDAR主導で測定頻度に従って勝手に送られてくる。またLiDARへのコマンドの送信とレスポンスの受信も送信側の勝手なタイミングで行われる。一方、I2Cの場合はポーリング方式なのでマスター(PIC)側主導でデータを転送する必要がある。

従ってUARTではPICはLiDARから勝手に送られてくるデータを受信し処理すればよいが、一方I2Cを使う場合はPIC主導で定期的にデータを取得し、その結果を処理する必要がある。つまりUARTとI2Cではソフトの造りが違ってくる。

I2Cを使ったデータ転送は具体的にはLiDARの内部レジスタのデータの読み出し/書込みという操作である。I2Cを使う場合は、LiDARの内部レジスタの書き換えは500Hzの測定毎に行われると思われるが、それとデータ取得の関係(タイミング)についてデータシートには何も説明が無く、やってみないと結果は分からない。

LiDARのI2Cアドレスについてもマニュアルの説明では0x52と書いてあるが説明図では0x54(0b010101xx)みたいに見える。これも試してみないと分らないが、後のチェックで0x52が正解であることが分った。

(続く)