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2025年11月12日水曜日

超音波距離計(その1)

 以前作った超音波測距モジュールからブランチして超音波距離計を作れないか相談を受けた。車のバックセンサーとして使いたいというものだ。ならば車外のセンサー部と車内の表示部という構成にする必要があろう。先ずセンサー部だ。

超音波センサーには秋月で安価に売っているHC-SR04とUS-015があり、コネクタには互換性がある。HC-SR04はGPIOインターフェイスのほかI2CやUARTにも対応しているがUS-015はGPIOのみであり、ここでは両方使えるよう、また後処理を考えてGPIOを使うようにした。

単に距離を測れれば良いならば簡単なものだ。そこでPIC16F18313を使ってプロトタイプを作った。 電源は表示部から供給する。

簡単な回路なので、であっという間に完成した(電源のバイパスコンデンサやLEDランプは回路図からは省略している)。

ソフトも、距離だけ測れば良いので以前PIC16F18346用に作ったものをPIC16F18313用に簡略化して1日で出来上がった。PIC16F18313は内蔵タイマーが少ないのでTMR0を200ms毎の測定開始用、TMR1をエコー時間測定用、TMR2を100msのタイムアウト用として使っている。測定は毎秒5回行い、過去4回分を平均して結果として報告するようにしている。次は実際に動かしてみた結果の一例である(結果はcm単位)。

US Ranging313-3.01.013 for RH-Kager3 US-Sensor Rev0.1
Copyright(C) 2025 MYcrosLip.
= 56
= 56
= 45
= 33
= 21
= 21
= 33
= 45
= 56
= 60
= 83
= 111
= 122
= 156
= 190
= 205
 

超音波センサーの最大探知距離4mより大きな値は999cmとし、センサーから100ms以内に応答がない場合は998cmとして報告するようにしている。


センサー部は出来上がったので、次は表示部の検討を行う。

(続く) 

 

 

 

 

2024年11月21日木曜日

PIC16F18xxxのA5ポートが使えなかった件に関する情報

 PIC16F18313、PIC16F18326、PIC16F18346 など PIC16F18xxx シリーズのPICを使ってみたが A5 ポートが入力にも出力にも全く使えなかった。色々調べてみたが全く原因が分からない。チップの系統的な欠陥か、まがい物を掴まされたかとも考えたが秋月でまがい物を売っているとも思えない。

この事から、これまでA5端子(ポート)は使えないという前提で、使わないよう設計してきた。

これは何かおかしいと最近再度調べたら、マイクロチップ社のホームページのフォーラムの中に同様の投稿を探り当て、答えが分かった。

https://forum.microchip.com/s/topic/a5CV400000015P3MAI/t395592

原因はPICのコンフィグレーション情報のFEXTOSCがOFFになっていなかったのだ。

次の記述を見て、内部発信器を使うのでFEXTOSCは関係しないと無視してきたが、
 
FEXTOSCがOFFでないとA5ポートはクロック発信器関係の端子として強制的に割り当てられ通常の入出力には使えないようだ。ただ、この情報はPICのマニュアルを探しても明確な記述が見つからず、幾つかの記述から類推するしかない。

A5端子が使えない事で何度かTRY&FAIL⇒設計変更したが、答えがこんな事だったとは・・・。

 

2024年10月24日木曜日

出入り検知器をPCB化する(その14)サーボ・モータを動かす2

 サーボモータ(SG-90)をPIC16F18313で動かすための基本的な計算が出来たところで実際のプログラムを作る。サーボモータを動かすために必要なパルス波形は次のようなものである。

2つのパルスの周期(20ms)はTMR2で決める。2つのサーボモータの角度に対応する2つのパルス幅(0.5ms~2.4ms)はパルス幅変調器(PWM5及びPWM6)で決める。

 サーボモータがある角度にある時、突然別の角度を指示するとサーボモータは最速(仕様では0.12sec/60度=500度/秒)でこれに追従する。これが目的とする動作に合っているのか、またサーボモータの負荷を高め寿命を縮めることにならないか気になるところである。そこでTMR2+PWMで生成できる最小の分解能である3度毎にステップを進める事とする。もし20ms毎に割り込みをかけて3度進めると150度/秒となり、良さそうである。TMR2にはポストスケーラがあるので、これを使うとこの1倍から1/16倍までのスピード制御が可能であり、即ち9.4度/秒~150度/秒の速度制御が可能である。

ロジックとしてはTMR2(のポストスケーラ)により割込みがかかったときサーボが目的とする角度に達していない場合は要回転を意味するフラグを立てる。さらにパルスの立下りで(IOCの機能を使って)割り込みをかけ、要回転フラグが立っている場合は次のパルス幅に相当する値をPWMに書き込む。そのタイミングがパルスの立下り後である理由はパルスの立下り時に処理を始めると処理のための時間的余裕が十分あるからである。時間的には20ms以内に処理を終わらせればよいので問題は無いだろう。なおIOC(Interrupt On Change)とはPICのピンの信号の変化を捉えて割込みを起こす機能であり、立ち上がりと立下りを個別に捉え割り込みを起こす事ができる。通常は入力信号に対して使う機能だと思うが、ここでは出力信号に対して使っている。

ソフトの開発と並行して汎用基板にプロトタイプのハード(コントローラ)を作った。 大きさは概ね2cm×4cmに収まった。

基板に載っている部品はPIC16F18313と電源のパスコン、LEDと電流制限用抵抗だけで他に接続用に電源コネクタ、サーバモータ用3Pコネクタが2つ、ホストと繋ぐシリアル通信用コネクタが1つあるだけである。シリアルインターフェイスはUSBを介してTeraTermから文字ベースでテストできるようにした。

電源を入れると各部の初期化を行い、TME2やPWMを起動、1.45msのパルスを作ってサーボを中点まで移動、その後パルス幅を0としてサーボを休止、割り込み可としてSLEEPする。

RS-Kager2-Servo313-032 2024/10/23 for RS-Kager2 ver 0.27
 Copyright(C)2024 MYcrosLip
*** Init Servo.
*** Start Interrupt.
*** Start Servo.
*** Sleep Loop.

あとはシリアル通信で受信したコマンドを解釈してPWMを制御しサーボを3度ステップで動かす。目的の角度に達したらパルスを止める。3度進むのに必要な時間は7.5msであるから50Hzの1周期(20ms)以内に終わり、タイマーなどを使った遅延操作は不要である。

実装した主なコマンドは<nn>H、<nn>V、Z、<mm>Gである。Hは水平サーボ、Vは垂直サーボの軸を回転(指向)させるコマンドで<nn>は-90度~90度の範囲であり、Zは原点(0,0)に復帰、Gは速度制御(<mm>は引数で1~16)である。

次の実行例で、90Hは水平サーボを90度に向け、90Vは垂直サーボを90度に向け、Zで原点に戻っている。小文字のhやvは動作確認のため1ステップ進むごとに表示させている。

90Hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
90Vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv
Zhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhv

 サーボの動作中でも次のコマンドを受け付ける。この場合、実行中のコマンドの終了を待たずにキャンセルし、後で来たコマンドを処理する。この動作を2つのサーボに対して各々独立して行う(逆に言えば処理待ちキューを作らずに済ませたという事)。

これで外部から文字ベースでサーボを制御できるようになった。

(続く)

 


 

2024年10月19日土曜日

出入り検知器をPCB化する(その13)サーボ・モータを動かす1

 出入り検知器にサーボ・モータを動かす機能を追加できないか相談を受けた。水平と垂直の2方向の動きをサーボで作る。そこでSG-90という最も安価なサーボを秋月で入手して動かしてみる事に。

SG-90にはSG90-HVという軸が360度回転するタイプもあるが、入手したSG-90は可動域が180度のタイプである。SG-90の角度を制御するには電源5Vを加え、次のような20ms周期のパルス幅変調の信号を制御端子に加え角度を制御する。

 角度は0.5ms~2.4msのパルス幅に対応して0度~180度に変化する。中点(90度)のパルス幅は1.45msである。パルスを0.05ms(50μs)単位で変化させると180度を39ステップ、即ち4.7度単位で制御する事ができる。SG-90のデッドバンド巾は1μs(本当?)なので問題にはならないだろう。

この幅のパルスを作る事は難しくない。問題は周期の50Hz(20ms)との関係である。ポイントは大きなデューティ比 0.5/20~1.45/20~2.4/20 を細かく制御する必要がある事である。これを整数比に直すと10/400~29/400~48/400 であり、20msの1/400である50μs単位で制御する事になるが、これは試算値であって実際のSG-90がこれをどれ程の精度で追従できるかは分からない。

8ピンのPIC16F18313には2個のPWM(パルス幅変調器)が内蔵されていて丁度良い。このPWMはタイマー2(TMR2)と組み合わせて使う。


TMR2はFosc/4のクロックで動く8ビットカウンタであり、1/1, 1/4, 1/16, 1/64 のプリスケーラが利用可能。これを使ってFosc/4=500KHz、プリスケーラ=1/64、カウンタの上限(PR2)を155に設定すると約50Hz(=500KHz/64/156)が取り出せる。なおTMR2のポストスケーラ(1/1~1/16)からは直接信号が取り出せず割り込み用にしか使えない。

TMR2と組み合わせて使うPWMのパルス幅は10ビットで指定する。つまり8ビットカウンタの1カウント値の1/4まで指定でき、これは約32μsステップ(=20ms/156/4)単位で指定できる事になる。これを使って改めてパルス幅の指定範囲を計算するとカウント値は 0.5ms÷32μs≒15、1.45ms÷32μs≒45、2.4ms÷32μs=75 という値となる。つまり90度で30カウント差だから1カウントが3度の回転に相当する。

(続く)


 

 

2024年7月12日金曜日

出入り検知器をPCB化する(その8)メロディ生成2

メモリー容量の関係でPIC16F18313では単音しか発生できなかった。これをPIC16F18326に換えることで機能拡大ができそうである。とりあえず基板を改造してPIC16F18326とオーディオアンプが使えるテスト環境を作った。

14ピンのPIC16F18326はPIC16F18313用に用意した8ピンソケットに一部だけ挿し、残りは宙ぶらりんの状態にしている。

和音を発生させるためには複数の発振器が必要であり、そのためにNCO1以外に使えそうなのがTMR0、TMR1、及びTMR2であるが、TMR1は任意の分周比の連続波形が発生できないので除外する。 

TMR0は次のような構成である。

クロックは幾つか選択できるが、後の計算の結果HFINTOSC(16MHz)を選択した。プリスケーラは1/2^n(n=0..15)が選択できる。中央のカウンタ部には8ビットモードと16ビットモードがあるが、8ビットモードでないと任意の分周比が設定できない。8ビットの分周器を経た後はポストスケーラで1/1~1/16の分周比を選択できる。最後にD-FFで1/2に分周し方形波として出力する。クロック周波数、プリスケーラ、分周器をどう組み合わせれば目的とする周波数を発生できるかExcelで最も誤差の少ない組み合わせを求めた。その結果全音階に渡って誤差を数Hz以内に収めることが出来た。

TMR2(Timer2、Timer4、Timer6)は次のような構成である。

この回路をそのまま音階発生に使うには次の欠点がある。

  1. 入力のクロックがFosc/4固定である事。
  2. 分周比の設定が8ビットしかできない事。
  3. 音階発生にはポストスケーラが使えない(信号が取り出せない)。
  4. そのままではPIPで出力を取り出せない。
  5. 発生周波数(分周比)によってduty比が変化する。

1,のFoscは1MHzとしており、これは他のデバイスのパラメータとの関係で安易に変更できない。従ってクロックは250KHz固定になる。4,5,を解決するため次の様にCCPと組み合わせてPWM(パルス幅変調器)として使う。duty比は他に合わせて50%とするが、これを変化させて音量・音質に変化を持たせることもできるだろう。

プリスケーラと8ビットの分周器を組み合わせると最低音の2音階を除いて予定した全ての音を発生させることが出来る事が分かった(ただし最高音部は周波数誤差が50Hz以上に大きくなる)。何処まで使えるかは実際に耳で聞いて決めるが最高音部は周波数が高すぎて現実的には使わないだろう。

音階のパラメータと誤差を纏めると次表のようになる(一部省略)。NCO1はこういう目的には優れものだという事が分かる。

TMR2はTimer2、Timer4、Timer6の3個搭載されているので、後述のミキシングを考えてTimer2、Timer4の2個を使い、NCO1とTMR0と併せて全体で4音を発生できるようにした。

Timer6は テンポの作成に使う。

(その9に続く)

2024年7月5日金曜日

出入り検知器をPCB化する(その7)メロディ生成

 メインの基板が働く目途が立ったのでメロディ回路作成に取り組んだ。前回のメイン基板の写真で空いている8ピンICソケットにPIC16F18313を挿してURATインターフェイスを通じてメロディを発生させるようにする。

3声のシンセサイザを作りたかったが試したらPIC16F18313の少ないメモリー(プログラム=3.5KB、データRAM=256B)では1声の単音色が限界だった。 音階はクロックの1MHzを使ってNCO1(数値制御発信器、次図)で発生させた。

一般的には特定の周波数を発生させるには高い周波数のクロックを分周器で分周するのが普通であるが、分周器は整数分の1の分周しかできない(PLLを使った高級な分周器では分数の分周が出来るものもあるらしい)。一方音楽に使うためには12音階を数オクターブを発生させる必要がある。12音階は整数比ではない(1音階の周波数比は2の12乗根=約1.060)ため分周で正確に発生させることはできない。特に分周器を使って高い周波数を出す場合は分周比が少なくなり周波数精度が悪くなる。音楽では単に周波数精度だけでなく正しい音階からの絶対的な周波数のずれが唸りとなって聞こえるのでこれはいただけない。分周で精度を上げるにはクロック周波数を上げ分周比も大きくする必要があるが、Excelで計算してみるとA8まで周波数誤差を0.5Hz以内に収めるためにはPICのクロックが32MHzでも足りない。

一方NCO1は動作がやや複雑である。中心となる加算器で加算値を足し合わせ、加算器のオーバーフローを出力とする。NCO1では周波数が高くなるほど周波数精度が高くなる。それもクロックが低いほど加算数が大きくなり周波数精度も高くなる。クロックが1MHz、20ビット加算器を使うとA1の55Hzを出すための加算値は115、A8の7040Hzを出すための加算値は14764である。実際には出力を方形波とするためにオーバーフローを2分周して出力しており、その時の加算値が上の値である。周波数誤差で見るとNCO1では音階毎の周波数誤差の凸凹が少なく、全音階で0.4Hz以下に収まっており、高音になるほど周波数誤差が大きくなりがちな分周方式と違ってNCO1方式は音楽向きである。但しオーバーフロー毎に加算の余りが残るはずで、その分ビブラートがかかる筈であるが、その計算は後に回す。

NCO1の弱点は求める周波数を出すための加算数の計算がやや面倒な事であるが、これは予めExcel等で計算しておくことで対処できる。

結局、PIC18F27Q43からUARTで音階と音の長さを纏めた1行を送ることでメロディを奏でさせることとした。音階はMIDIの音階コードを流用して16進数で表す。音の長さは簡略化して1文字で表す。例えばA4(440Hz)の四分音符は「455」と表現する。1音を3バイトで表すのでRAMのうち141バイトを使って47音(休符を含む)まで演奏できる。

音階はNCO1で簡単に実現できた。音の長さはメモリー容量の関係でタイマー割込みは使わず1msの遅延を必要回数繰り返すことで実現した。この繰り返し回数は拍数(BPM)から簡単に算出できる。ON/OFFの割合を変えることでスタッカートやレガートも出来る。一応次の様に文字を割り当てた。i や j や l を使っていないのは視覚的に判別しにくいからである。

一方、使い慣れたはずのUARTインターフェイスが全く使い物にならず苦労した。送信は出来るが受信が全くできない。ソフトやハードをあれやこれやチェックしても全く動かない。さんざん悩んだ挙句に最終的に2番ピン(RA5)が死んでいることが分かり、これをPPSの機能で空いている6番ピン(RA1)に振り替える事で解決した。この事は、PICを交換しても駄目だったのでロット不良か或いはまがい物を買った可能性がある(このPICは秋月で買ったんだけど・・・※1)。

UARTインターフェイスは AquesTalk pico と似たようなものにした。

次のバージョンでは和音を出したいのでPIC16F18313の上位互換のPIC16F18326(14ピン、プログラム=28KB,データRAM=2KB)、或いは別のPICを使ってできないかあれやこれや検討している。しかしPICに搭載されているNCOはせいぜい1個であり和音には程遠い。(複数個ある)タイマー1は使えないか?またPWMを使ってエンベロープ機能も搭載できないか?PWNはタイマー2と組み合わせる必要があり、タイマー2のクロックにはシステムクロック/4しか使えないが要求を満たせるか、また音の合成はどうするか?など検討している。 

※1:後日別のPIC(16F18326)に変更したが、相変わらずRA5が使えないのでPIC16F18xxxのタイプのPICの欠陥かもしれない。

(その8へ続く)