2024年7月12日金曜日

出入り検知器をPCB化する(その8)メロディ生成2

メモリー容量の関係でPIC16F18313では単音しか発生できなかった。これをPIC16F18326に換えることで機能拡大ができそうである。とりあえず基板を改造してPIC16F18326とオーディオアンプが使えるテスト環境を作った。

14ピンのPIC16F18326はPIC16F18313用に用意した8ピンソケットに一部だけ挿し、残りは宙ぶらりんの状態にしている。

和音を発生させるためには複数の発振器が必要であり、そのためにNCO1以外に使えそうなのがTMR0、TMR1、及びTMR2であるが、TMR1は任意の分周比の連続波形が発生できないので除外する。 

TMR0は次のような構成である。

クロックは幾つか選択できるが、後の計算の結果HFINTOSC(16MHz)を選択した。プリスケーラは1/2^n(n=0..15)が選択できる。中央のカウンタ部には8ビットモードと16ビットモードがあるが、8ビットモードでないと任意の分周比が設定できない。8ビットの分周器を経た後はポストスケーラで1/1~1/16の分周比を選択できる。最後にD-FFで1/2に分周し方形波として出力する。クロック周波数、プリスケーラ、分周器をどう組み合わせれば目的とする周波数を発生できるかExcelで最も誤差の少ない組み合わせを求めた。その結果全音階に渡って誤差を数Hz以内に収めることが出来た。

TMR2(Timer2、Timer4、Timer6)は次のような構成である。

この回路をそのまま音階発生に使うには次の欠点がある。

  1. 入力のクロックがFosc/4固定である事。
  2. 分周比の設定が8ビットしかできない事。
  3. 音階発生にはポストスケーラが使えない(信号が取り出せない)。
  4. そのままではPIPで出力を取り出せない。
  5. 発生周波数(分周比)によってduty比が変化する。

1,のFoscは1MHzとしており、これは他のデバイスのパラメータとの関係で安易に変更できない。従ってクロックは250KHz固定になる。4,5,を解決するため次の様にCCPと組み合わせてPWM(パルス幅変調器)として使う。duty比は他に合わせて50%とするが、これを変化させて音量・音質に変化を持たせることもできるだろう。

プリスケーラと8ビットの分周器を組み合わせると最低音の2音階を除いて予定した全ての音を発生させることが出来る事が分かった(ただし最高音部は周波数誤差が50Hz以上に大きくなる)。何処まで使えるかは実際に耳で聞いて決めるが最高音部は周波数が高すぎて現実的には使わないだろう。

音階のパラメータと誤差を纏めると次表のようになる(一部省略)。NCO1はこういう目的には優れものだという事が分かる。

TMR2はTimer2、Timer4、Timer6の3個搭載されているので、後述のミキシングを考えてTimer2、Timer4の2個を使い、NCO1とTMR0と併せて全体で4音を発生できるようにした。

Timer6は テンポの作成に使う。

(その9に続く)

0 件のコメント:

コメントを投稿