2021年10月18日月曜日

セリアのソーラー・アクセント・ライトのRGBフルカラーLED化 Incorporating RGB full-color LED into cheap solar accent light

 セリアのソーラー・アクセント・ライトは太陽電池が3cm×3cmと前出のダイソーのソーラーライトより小さく面積で約56%しかない。


これを分解すると次のようになっている(これらとは別に土に挿すための杭が付いているが写真からは省いている)。


 この回路をトレースするとダイソーの吊るソーラーライトと同じである。しかし消費電流を計ってみると4.5mAと少ない。太陽電池の面積はこの消費電力に見合った設計になっているのかもしれない。


 内蔵の単4のニッケル水素(NiMH)電池は容量が100mAhなので、消費電流から計算すると20時間以上持つが説明書によると点灯時間は8時間となっている。

このライトにはゆっくり色が変化するRGBフルカラーLED(OSTB5131A-ID)を付け、直流点灯させるため次のように改造した。

 少しやり直した部分があるので配線が汚くなっているのはご愛敬。

このライトの光り具合は次の動画(4倍速)のとおり。

太陽電池の面積が小さい分起電力が弱いようで、前出のソーラーライトと比べ夜間照明のあるような少し明るい所でも夜間点灯できる。

【注意】セリアの本ライト添付の説明書に「電池交換や改造はおやめください」とあるので改造する場合はあくまで自己責任でお願いします。


 

 

2021年10月15日金曜日

ダイソーのソーラー・ガーデン・ライトにRGBフルカラーLEDを組み込む Incorporating flashing RGB full-color LED into cheap solar garden light

 いまは様々な色のLEDが売られているが、それに加えて様々な機能を内蔵したLEDが売られている。その中にはRGB(赤緑青)のLEDを搭載し、直流電圧を加えるだけで色を時間とともに変化させるものがある。

今回使った RGBフルカラーLED(OST1MC5A31A) もその1つで、直流を加印するだけでかなり早い周期で色を変化させ、けっこう目立つ変化をする。これを使う事でキャンドル駆動用のICは不要となる。

OST1MC5A31Aの動作原理はLEDに内蔵する発振器の作るパルスをカウントし、カウント値によってRGBの各々をそれぞれ独自のパターンで光らせるものである。

この OST1MC5A31Aを使うにはLED内部の電子回路の動作を乱さないよう直流で点灯させる必要がある。一方パルス駆動であるソーラー・ガーデン・ライトのLEDを単にこれに交換するだけではうまく機能しない。つまりソーラー・ガーデン・ライトのLED駆動パルスを直流に変えてやる必要がある。それをやるには単純には次の回路にすればよい。

 この回路ではD1とC1でパルスから直流を作っている。一方、OST1MC5A31Aは明滅するLEDなので光っていない瞬間のC1の両端、或いはIC1のLX端子の電圧はピークで7~8Vに達し、これはIC1やLEDの最大定格を超え素子を破壊する可能性がある。つまり、この回路を安定に働かせるためにはピーク電圧を下げてやる必要がある。そのために次のようにする。

この回路ではD2でピーク電圧を押さえ、さらにC2を追加することで脈流を平滑化している。実験の結果C2を100μF程度に増やせばC2の両端の電圧はD2が無くとも最大4V程度に抑えられるようだ。

このライトの光り方は次の通り。

 なお、この回路の消費電流は5.5mAであった。 

OST1MC5A31Aは変化が激しく視覚的刺激が強い。もし室内の窓際などでもっとゆっくりした色の変化を楽しみたいならLEDには30秒程度の周期で変化するOSTB5131A-IDを使う方が良いだろう。OSTB5131A-IDを使う場合は連続で光るのでD2は不要である。


2021年10月7日木曜日

ダイソーのソーラー・ガーデン・ライトのキャンドル化 Make flickering lantern from cheap solar garden light

 吊るソーラー・ライトに引き続き、同じく100円で売られている「ソーラー・ガーデン・ライト」をカラーキャンドル化した。これは前出の吊るガーデンライトに比べ角が尖ったままの形状である。太陽電池は4cm×4cmと吊るソーラー・ライトと同じ大きさである。



本体は吊るソーラー・ライトとほぼ同じような構造であるが電池ホルダーが作り込んでありネジを外さなくても電池を交換できるようになっている点、及び下部にピラミッド型の反射板があって水平方向に光を散乱できるのは良い。

残念な点は、 吊るソーラーライトと同じ値段でありながらこちらが部品点数が多いためか仕上げが雑な点が気になる。全部で8個買ったが1個は太陽電池が浮いてガラスのエッジが出て危ない状態だったので交換してもらった。はんだ付けも雑である。吊り下げる部分がプラスチックなため、紫外線で劣化して日が経つと落下しないか気になるところである(強風に耐えられくて落下する事がある事はその後経験済み)。



使っているICが YX8018B で吊るソーラー・ライトとは配線図が少し違うが基本は同じである。またL1の値が違うほか、消費電流が約5mAと吊るソーラー・ライトの半分以下なので省エネになっている。この理由は、昇圧回路のスイッチング周波数がカタログ上YX805Fの100~250KHzに対しYX8018Bが200~340KHzと高く、そのぶん高効率になっている事だと思われる。ちなみにジャック・オ・ランタンで使ったCL0116のスイッチング周波数はカタログ上100KHzになっておりYX805Fと同様なのだろう。


これを次のように改造した。吊るソーラー・ライトと同じく基板のパターンを1ヵ所切断する必要があった。


 この回路で緑と青のライトを作ったが青色LEDは暗かったのでL1を100μHに変更した。このとき緑の消費電流は4.5mA、青が10.5mAであった。

 

 これまで使ってきたLEDは適当に選んだもので必ずしも目的に合ったものでない。本件に関係するLEDの仕様項目には光量(及び順方向電流If)、半値角、順方向電圧降下(Vf)等があり、標準的な電流(If=20mA)に於いて出来るだけ明るく、また半値角が広い物が望ましい。

改めて秋月のWEBから適切そうなLEDを選んで実装してみた(次表参照)。

黄緑については適当な光量のLEDが見つからなかった。また紫(紫外線)は電流を増やし(L1の値を減らし)ても可視光は暗く、本ライトには不向きのようだ。

変更したL1を元の値に戻し、これらのLEDを使ったライトを作成して物干しに並べてみた。

 なおこの中の奥の方にあり色の変化している1個は次回に説明するRGB-LEDを使った物だ。

IC保護などを考慮した最終的な回路を次のようにした。

C2の電圧を観測したところでは保護用のD2は必ずしも必要ないようだ。


 

2021年10月2日土曜日

ジャック・オ・ランタン(Jack O'Lantern) のLEDキャンドル化 Add flickering function for LED in my Jack O'Lantern

 2年ほど前に置物のジャック・オ・ランタンにLEDランプを仕込んだ。

今回、このLEDをキャンドル化した。手法は前回のソーラーライトのキャンドル化と同じである。回路図は次の通り。白丸より左は従来のソーラーライトの基板をそのまま流用して作成している。白丸より右をユニバーサル基板に組み込んでジャック・オ・ランタンの中に仕込んだ。

L1を330μHから68μHに替えたことで消費電流が13mAから55mA程度に増加した。


ここまで出来たので、改めて秋月で入手可能な部品を使って全てを新しく組み立ててみた。

IC1にはCL0116を使った。YX805Fとはピンコンパチブルであるが昼夜の識別レベルが少し異なるようである。


キャンドル駆動ICはOSCDIC6441とは別にCDT3460というICのも売っていて互いにピンコンパチブルであるが、これらで駆動したLEDの光り方を比べたところCDT3460は揺らぎが単調なのでOSCDIC6441を採用した。CDT3460が無風状態の仏壇の蝋燭、OSCDIC6441が風の中の蝋燭といった雰囲気である。次の動画で左がCDT3460、右がOSCDIC6441の明滅である(左のLEDは3mm黄色、右は5mm蝋燭色)。

また手持ちの赤色LEDでは暗かったので、高輝度で指向性の緩い(半値幅が広い)LED(OS5RPM5B61A)に交換した。

 L1についてはLEDの種類や夜間の周囲の明るさ、電池の持ちを加味して4つの値(47μH,100μH,220μH,330μH)から選べるようにした。これらを試したところ220μHより小さくしても消費電流が増えるだけでLEDはあまり明るくならないので、現状では220μHが良いようである。ちなみにこの時の点灯時の消費電流は15.5mAであった。消費電流の増加を見込んで太陽電池に少し大きなものを使い、NiMH電池は単3にした。

これを玄関に置いてみたが照明に負けない明るさがある。

 

玄関は北向きで直射日光は射さないがランタンは毎日朝まで光っている。