2024年10月24日木曜日

出入り検知器をPCB化する(その14)サーボ・モータを動かす2

 サーボモータ(SG-90)をPIC16F18313で動かすための基本的な計算が出来たところで実際のプログラムを作る。サーボモータを動かすために必要なパルス波形は次のようなものである。

2つのパルスの周期(20ms)はTMR2で決める。2つのサーボモータの角度に対応する2つのパルス幅(0.5ms~2.4ms)はパルス幅変調器(PWM5及びPWM6)で決める。

 サーボモータがある角度にある時、突然別の角度を指示するとサーボモータは最速(仕様では0.12sec/60度=500度/秒)でこれに追従する。これが目的とする動作に合っているのか、またサーボモータの負荷を高め寿命を縮めることにならないか気になるところである。そこでTMR2+PWMで生成できる最小の分解能である3度毎にステップを進める事とする。もし20ms毎に割り込みをかけて3度進めると150度/秒となり、良さそうである。TMR2にはポストスケーラがあるので、これを使うとこの1倍から1/16倍までのスピード制御が可能であり、即ち9.4度/秒~150度/秒の速度制御が可能である。

ロジックとしてはTMR2(のポストスケーラ)により割込みがかかったときサーボが目的とする角度に達していない場合は要回転を意味するフラグを立てる。さらにパルスの立下りで(IOCの機能を使って)割り込みをかけ、要回転フラグが立っている場合は次のパルス幅に相当する値をPWMに書き込む。そのタイミングがパルスの立下り後である理由はパルスの立下り時に処理を始めると処理のための時間的余裕が十分あるからである。時間的には20ms以内に処理を終わらせればよいので問題は無いだろう。なおIOC(Interrupt On Change)とはPICのピンの信号の変化を捉えて割込みを起こす機能であり、立ち上がりと立下りを個別に捉え割り込みを起こす事ができる。通常は入力信号に対して使う機能だと思うが、ここでは出力信号に対して使っている。

ソフトの開発と並行して汎用基板にプロトタイプのハード(コントローラ)を作った。 大きさは概ね2cm×4cmに収まった。

基板に載っている部品はPIC16F18313と電源のパスコン、LEDと電流制限用抵抗だけで他に接続用に電源コネクタ、サーバモータ用3Pコネクタが2つ、ホストと繋ぐシリアル通信用コネクタが1つあるだけである。シリアルインターフェイスはUSBを介してTeraTermから文字ベースでテストできるようにした。

電源を入れると各部の初期化を行い、TME2やPWMを起動、1.45msのパルスを作ってサーボを中点まで移動、その後パルス幅を0としてサーボを休止、割り込み可としてSLEEPする。

RS-Kager2-Servo313-032 2024/10/23 for RS-Kager2 ver 0.27
 Copyright(C)2024 MYcrosLip
*** Init Servo.
*** Start Interrupt.
*** Start Servo.
*** Sleep Loop.

あとはシリアル通信で受信したコマンドを解釈してPWMを制御しサーボを3度ステップで動かす。目的の角度に達したらパルスを止める。3度進むのに必要な時間は7.5msであるから50Hzの1周期(20ms)以内に終わり、タイマーなどを使った遅延操作は不要である。

実装した主なコマンドは<nn>H、<nn>V、Z、<mm>Gである。Hは水平サーボ、Vは垂直サーボの軸を回転(指向)させるコマンドで<nn>は-90度~90度の範囲であり、Zは原点(0,0)に復帰、Gは速度制御(<mm>は引数で1~16)である。

次の実行例で、90Hは水平サーボを90度に向け、90Vは垂直サーボを90度に向け、Zで原点に戻っている。小文字のhやvは動作確認のため1ステップ進むごとに表示させている。

90Hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
90Vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv
Zhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhvhv

 サーボの動作中でも次のコマンドを受け付ける。この場合、実行中のコマンドの終了を待たずにキャンセルし、後で来たコマンドを処理する。この動作を2つのサーボに対して各々独立して行う(逆に言えば処理待ちキューを作らずに済ませたという事)。

これで外部から文字ベースでサーボを制御できるようになった。

(続く)

 


 

2024年10月19日土曜日

出入り検知器をPCB化する(その13)サーボ・モータを動かす1

 出入り検知器にサーボ・モータを動かす機能を追加できないか相談を受けた。水平と垂直の2方向の動きをサーボで作る。そこでSG-90という最も安価なサーボを秋月で入手して動かしてみる事に。

SG-90にはSG90-HVという軸が360度回転するタイプもあるが、入手したSG-90は可動域が180度のタイプである。SG-90の角度を制御するには電源5Vを加え、次のような20ms周期のパルス幅変調の信号を制御端子に加え角度を制御する。

 角度は0.5ms~2.4msのパルス幅に対応して0度~180度に変化する。中点(90度)のパルス幅は1.45msである。パルスを0.05ms(50μs)単位で変化させると180度を39ステップ、即ち4.7度単位で制御する事ができる。SG-90のデッドバンド巾は1μs(本当?)なので問題にはならないだろう。

この幅のパルスを作る事は難しくない。問題は周期の50Hz(20ms)との関係である。ポイントは大きなデューティ比 0.5/20~1.45/20~2.4/20 を細かく制御する必要がある事である。これを整数比に直すと10/400~29/400~48/400 であり、20msの1/400である50μs単位で制御する事になるが、これは試算値であって実際のSG-90がこれをどれ程の精度で追従できるかは分からない。

8ピンのPIC16F18313には2個のPWM(パルス幅変調器)が内蔵されていて丁度良い。このPWMはタイマー2(TMR2)と組み合わせて使う。


TMR2はFosc/4のクロックで動く8ビットカウンタであり、1/1, 1/4, 1/16, 1/64 のプリスケーラが利用可能。これを使ってFosc/4=500KHz、プリスケーラ=1/64、カウンタの上限(PR2)を155に設定すると約50Hz(=500KHz/64/156)が取り出せる。なおTMR2のポストスケーラ(1/1~1/16)からは直接信号が取り出せず割り込み用にしか使えない。

TMR2と組み合わせて使うPWMのパルス幅は10ビットで指定する。つまり8ビットカウンタの1カウント値の1/4まで指定でき、これは約32μsステップ(=20ms/156/4)単位で指定できる事になる。これを使って改めてパルス幅の指定範囲を計算するとカウント値は 0.5ms÷32μs≒15、1.45ms÷32μs≒45、2.4ms÷32μs=75 という値となる。つまり90度で30カウント差だから1カウントが3度の回転に相当する。

(続く)


 

 

2024年10月15日火曜日

出入り検知器をPCB化する(その12)

 これまで作った歴代作品を並べてみた。残念ながら汎用基板を2段重ねした第1.5世代は部品を使い回ししたため残っていない。

当初は人の動きを捉えて喋るだけで良かったものが、それに加えてリアルタイムクロック(RTC)や気圧センサーを加え気圧変化を喋り、さらにメロディを奏でるまでになった。C言語で書いたプログラムもメロディ生成に2千行、本体は1万行程度になった。そして開発は今後も続く。本バージョンの締めとして若干の修正を加えた第4.2版を赤色のレジストで発注した。

これで終わりかと思ったが、更なるリクエストがあり、 開発は続く。

(続く)