出入り検知器は元々20cm離れた2本の赤外線を人が横切る事を検知するよう考えていた。これは狭いゲートを通過する人を検知するような使い方を前提としていた。一方、目前の歩道を通り過ぎるような人の動きを検知して働くような機能の方がより汎用的に使えるだろうと、そのようなセンシングを考える事とした。
このような動きを捉えるには画像認識以外には次のような幾つかの方法が考えられる。それぞれ対象物との絶対的な距離を測れるものと、距離の変化を捉えるものがある。
- 焦電センサー
- 赤外測距センサー
- 超音波測距センサー
- ミリ波センサー
これらのうち秋月で入手が容易な(比較的安価な)センサーについて特性を調べた。1.焦電センサーは人体から放射される赤外線を捉え、その量の変化が閾値を超えた場合に反応するが屋外では太陽光やその反射光、風が吹いても反応する事があり屋外での特に昼間の利用には不向きである。2.は自ら赤外線を発射し、その反射光を受信するまでの時間から対象物迄の距離を測定する。その例として秋月で売っているVL53L0X使用 レーザー測距モジュールを買ってみた。これは Arduino ではライブラリが使えるようだがモジュール自体の仕様は公開されておらずPICからは容易に使えないので今回は扱わない。3.は超音波を使って2と同様な事を行う。4.はミリ波を使って同様な事を行う。最近は車の人感センサーに応用され比較的入手が容易である。ただ電波法で規制されるため認証されたものを使う必要がある。
取り合えず安価で最も使い易そうな超音波センサーを使ってみる事とした。秋月では手頃な値段のUS-015とHC-SR04という見かけの似た2つの超音波センサーモジュールを販売している。値段もあまり違わない。インターフェイスも同じGPIOで4ピンの信号割り当ても同じ。但し(マニュアルは中国語で分かり辛いが)HC-SR04はジャンパーを切り替える事でGPIO(PWM)のほかI2CまたはUARTインターフェイスを選ぶ事が出来るようである。汎用性を考え、とりあえずGPIOインターフェイスで使ってみる事にした。次図はGPIOのタイミングチャートである。
GPIOでは Trig端子に10μsのパルスを加えることで測距がスタートする。先ず40KHzの超音波パルスが8回発射され、それが対象物で反射されて帰ってきたエコーを受けてEcho端子に往復時間に相当する時間幅のパルスが出力される。もしエコーが検知されなかった場合は80msのパルスが出力されるとUS-015のマニュアルにあるが、HC-SR04にはそれに相当する記述はない(実際に測定したところでは50ms強であった)。Trig端子に与えるパルスの繰り返し周期はUS-015で85ms程度、HC-SR04では200ms以上必要である。
音速を340m/sとし、最大測距距離4mとして試算すると往復時間(Echo端子への出力パルス幅)は23msである。
測定にPIC16F18326を使う場合、カウンタをゲート制御できるTimer1を使うのが適当である。Echo端子の信号をカウンタのゲートに加える。カウンタに加えるクロックにLFINTOSC(31KHz)を使うと距離を(理論的には)約1.1cm単位で測定する事が出来る(往復だと0.55cm)。また無エコー時の80msパルスのカウント値は24,80カウントでありTimer1の16ビットの範囲に収まる。
・・・てな事を考えながら回路を考え基板を発注した(この回路では将来の拡張を考えてPIC16F18346を使っている)。
この基板では3方向の超音波センサーを使う事を想定している。(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿