2016年1月17日日曜日

この頃のSG(Signal Generator、標準信号発生器)オークション

 1年前に比べてSGが安くなっているようだ。1年前だと1GHz物が3諭吉、2GHzで4諭吉が相場だった。今年はその値段だと買い手が付かない。奥行きが長くて置き場所に困るHPの8657B (2GHz物の)なんて2諭吉でも買い手が無い。さすがに滅多に出ない現役の6GHz物は早い段階で10諭吉を超え、さらに70諭吉を超えて落札された。

 そん中、R&Sの3Gz物(SMT03)を2諭吉まで行かずに落札できた。SMT03は何台か出ていて動作品が3諭吉位で出ている。オークションでは「知識が無いので・・・」等と意識的に説明を避けて写真で判断しろという業者が多い。痛い目に遭わないためにも写真の細部を見切る必要がある。

 そんなときに役立つのがネットで手に入るマニュアル、特にサービスマニュアルが重要である。配線図が付いていれば申し分ない。故障品でも何とかなる可能性が大きい。入手したSMT03のサービスマニュアルには配線図は無かった。なお、サービスマニュアルは国内から出る事は希なので基本的に英語である。

 SMT03の出物にはエラーを起こしているものが幾つかあった。 ここでマニュアルの出番である。VCXOの同期がとれない・・・こいつはやばい。配線図が無いので手に負えない可能性があるし、修理するにも時間もかかるだろう。これはパス。 RAMバックアップ用バッテリー電圧低下でキャリブレーションデータが消えた・・・測定器の命であるキャリブレーションデータが失われると一見危なそうで、事実これでゴミになる機器も過去にはあった。しかしSMT03ではRAMのキャリブレーションデータはメニューを選べば単体で復活できるので簡単なエラーだ。SMT03の場合RAMに保存されるのはSG単体でできるキャリブレーションのデータでありレベル1のパスワードが必要。EEPROMに保存されるのが外部に測定器が必要なキャリブレーションのデータでありレベル2のパスワードが必要。
 次に問題になるのは、3つのレベルのパスワード。低い方から2つまではサービスマニュアルの中に散らばっていた。3番目は業者に照会しろと書いてある。しかし消えたキャリブレーションデータを復活するのに必要なパスワードは最も低いレベルなので大丈夫。もしユーザが変更できるパスワードだと前のオーナーが変更している可能性があるが、印刷されているので大丈夫だろう。そしてネットで調べて3つ目のパスワードもゲットできた。
  そこで3諭吉まで出す覚悟で 札を入れ、思いの外安く入手出来た。表示部に若干問題があるのも理由かもしれない。入手後バッテリーを交換しキャブレーションをやり直して復活できた。3GHzまでちゃんと出てるのも確認出来た。

 基準周波数はRb発振器と比べて数Hzズレている。この調整にはレベル2のパスワードが必要だ。それは構わないがマニュアルによるとこのパラメータは追記型なので何度もやると領域を使い切る可能性がある。何回できるか分からないので、落ち着いてから取り組むことにする。
 それにしてもR&Hのハンドグリップ(運搬用取っ手)ってプラスチックがヘタって割れてるのね。R&Hの持病みたい。


 オークションを見ていたら、HP608Eという博物館レベルの名機が出ていた。真空管式の完全アナログSGで500MHz位まで出せサイドデスク位ある巨大なものだ。飾り物として1台欲しい。出来れば復活させたい。
 安定させるためには丸1日電源を入れておく必要がある。しかしその信号の純度は素晴らしい。帰還がかかっていない性かもしれない。電圧の振幅が大きいため、相対的に回路の熱雑音のレベルが低い性かもしれない。何れも推測である。

 それより、最近GHzレベルのカウンタが高い。元値とは逆の関係だ。やっぱりアマチュアには小型の測定器が人気みたい。

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