2023年2月5日日曜日

赤外リモコンチェッカーを作る

 赤外線(IR)リモコンのカラクリを使って何かできないかな、と少しいじってみることにした。IRリモコンは室内で比較的遠くまで届くうえに情報を乗せられ、ほとんど誤作動もない所が優れている。

先ず秋月でOSRB38C9AAという波長940nmの赤外線(TVのリモコンと同じ)に最大感度を持つ赤外線受信モジュールを買ってきた。これは3Vで働く3端子の素子で出力は負論理で普段はHに保たれ、赤外線を感じるとLになる。


中身は次図のように結構複雑であるが、これが2個入って秋月で100円なのでコスパは良い。

このモジュールと手持ちの部品を使って次図のIRチェッカーを作った。

  このチェッカーは数m離れていてもTV等のリモコンにちゃんと反応するので感度はよい(仕様上は20mとなっている)。赤外線を受けていない時の待機電流は1mAを若干下回る(OSRB38C9AAの仕様では0.9mA)。

 

一方赤外線LED(OSI5FU5111C-40、波長940nm)を直流点灯させてチェッカーに赤外線を照射してみたが反応しない(素子にBPFを内蔵しているので当然ではある)。

 データシートを見るとこのモジュールは次図の赤外光でテストされているようである。即ちTVリモコンと同じく37.9KHzで断続した光(キャリア)の600μs連続を1ビットのデータとし(これは1.67Kbpsに相当)て受信する。さらにフレーム長(Td)の記載は無いが0.1秒毎に繰り返すようで、データ長は最大でもせいぜい167ビットである(これはあくまでテストデータの情報)。

 そこで赤外LEDを37.9KHzで点滅させてみたが、チェッカーのLEDが間欠的に点灯し不安定である。そこでテスト信号に近い37.9KHzの23サイクル(約600μs)のバースト信号を作ってみると(信号発生にはHP-33120Aのバーストモードを使った)連続的なバースト信号に対しチェッカーLEDの光り方は連続だったり間欠だったり変化する。これは赤外線受信モジュールがリモコン信号に特化し連続的な信号には対応していない為だろうか。OSRB38C9AAの特性には少しクセがあるようである。

 チェッカーは最終的に手元にあった鼻炎薬のスプレー容器に組み込んだ。基板は両面テープで単4×2の電池ケースに止めている。基板が汚れているのはジャンク箱から拾ってきた古い基板を使い回している為。このチェッカーは青色の蓋を閉めた状態でもちゃんと反応する。



リモコンの赤外線は以前はスマホのカメラで見えたが最近のスマホのカメラは特性が改善されたのか見えない。このチェッカーを使うとちゃんとリモコンに反応するので電池切れや故障診断に使える。

(その後)

単4電池を2本使うタイプの壊れたパルスオキシメータがあったので、基板を外してそこにチェッカーを組み込んだ。部品は瞬間接着剤で固定し、表示窓には白いマスキングテープを貼って直接中が見えないようにした。小型の電源スイッチは押しボタンスイッチがあった場所にUVレジン(紫外線硬化樹脂)で固定している。





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