2023年9月17日日曜日

第二種電気工事士に挑戦(その3)技能試験

 技能試験は13課題があらかじめ公表され、その中から1課題が出題され、その回路を40分以内に完成させる必要がある。試験内容に比べて時間が多くないので無駄な作業は極力省き効率的に進めたい。

まず、YouTubeでHOZANから提供されている13課題の実演(といっても昨年の問題。今年も内容はそう変わらないはず)を見た。元々弱電の配線には慣れているので ポイントだけ習得すれば何とかなるはずである。そこで分かったのはワイヤーストリッパーが無いとかなり時間をロスることである。HOZANは、カット+シース剥き+被覆剥きを簡単に処理できる電気工事士試験に特化したワイヤーストリッパーを販売している。ペンチ+電工ナイフだと分単位でかかってしまうVVFケーブルの末端処理がこのワイヤーストリッパーを使うと10秒もかからず処理できる。これは時間短縮のために必須だ。さらに重要課題の「の」の字曲げにも使える。
その他リングスリーブの圧着ペンチも圧着したリングスリーブに決まったマークを残す必要があるので必須の工具である。

そうこう調べていると受験向けに工具セットを販売している事が分かり、DK-28というセットを早速購入した。すでに持っている工具もあるのでセットである必要ないが割安なうえに携行に便利な収納袋も付いており便利そうだ。試験が終わればオークションで転売すればよい。そのほかDK-200という合格マルチツールと合格クリップも併せて買ったが、これも試験が終われば不要だ。

工具を買ってみて1つ分かった事は、ワイヤーストリッパーは右利き用という事だ。私は左利きなので使い勝手が少し違う。表面に書いてあるスケールは左利きでは使い辛い。そのほか被覆を剥くとき刃が傾くと被覆や心線に食い込んで傷つけ気味になるが、これは最悪の場合欠陥と判断される。くれぐれも注意が必要だ。

工具は揃えたが練習材料も必要。近くのホームセンターでVVFケーブルや埋め込み型スイッチ(単極、3路、位置表示灯内蔵)、埋め込み型コンセント、露出型コンセント、ランプレセプタクル、引掛けシーリング、リングスリーブ(小、中)、差し込み型コネクタ(3本用)、埋込連用取付枠を購入した。ジョイントボックスは特に練習する必要も無いだろう。
 特に練習したのは「の」の字曲げである。あまりはみ出してはいけない事は分かるが、判断基準が明確でなく試験官の気分で合否を左右される可能性があるので教科書的な美しい「の」の字を作って欠陥判断を回避したい。試験に出るネジの直径は3.5mmの場合と4mmの場合があるようで、被覆を剥く長さもそれに応じて18mmや20mmと変え、「の」の字がネジの頭から横にはみ出ないよう毎日練習した。

最初は甘く見ていたが、リングスリーブの圧着にも意外と力が必要で、よっぽど力が無いと片手の握力だけでは不十分である。HOZANのビデオの講師のお姉さんが苦労していた理由が納得できた。練習の残骸が次の写真である。

あと、個人的に気を付けなければならないのは線の色である。試験では2色(白・黒)のVVFケーブルを多用する。弱電では接地には黒や暗色系の色を使う事が多いが、強電では接地には白を使い黒はLive(Hot)と使い分ける。うっかり色を逆に使わないよう注意が必要だ。

元々弱電の配線には慣れているので複線図をきちっと描けばあとは淡々と作業できる。複線図を描く練習は各課題ごとに3回はやった。実配線では上に述べた幾つかのポイントや各部品やケーブルを手に馴染ませる事を主に練習し、1つの課題を最後まで完成させるような練習はしなかった(そもそもそれだけの材料は買い揃えてはいない)。被覆を剥く長さ10mm、12mm、18mm、20mmなどは目視で出来るようにした。

 

試験会場は全国的に有名なイベント会場だった。受験者数は約2千人程度。概ね 100名×20グループといったように分けられていた。机上には作業用(机の保護用)にB3程度のボール紙が下敷きとして置いてある。配線材料は23×16×10cm程度の段ボール箱1つに入って配られた。VVFケーブルは巻かれた状態で箱に入っていた。

本試験が始まる前に配線材料の確認があるが、この時点で13課題中のどの課題が出題されているか材料の組み合わせで分かる(まだ問題用紙の課題を見てはいけない)。

試験官の合図で試験がスタート。試験の時最も気を付けたのはVVFケーブルをカットする長さである。支給されるVVFケーブルに余裕がないので、切る長さを間違えると最悪の場合課題を完成できなくなる。複線図を描くときカットする長さを書き込んで、その合計と支給されたVVFケーブルの長さに矛盾がないかチェックした。被覆を剥く長さは多少誤魔化しが効く。あとは淡々と作業するのみである。

スタートから35分くらいかかって課題は完成した。その時点ですでに完成し形を整えている受験者も多かった。

試験官の止めの合図で手を下す。その後は一切課題に触れてはならない。

机の上を片付けて、余った材料やゴミは段ボール箱に戻し、課題を机上に置いたまま退席となる。2千人を順に退席させるため自分の番になるまで30分以上かかった。なお問題用紙や段ボール箱、下敷きのボール紙は持ち帰れない。

あとは結果を待つのみである。 

余談であるが、第一種電気工事士の資格を持つ知人からのアドバイスによると、冬場はケーブルのシースや被覆が硬くなり作業に手間取るので実技試験は上期が有利との事だった。

 (続く)

 

 

 

 

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